股関節の屈曲拘縮を調べるテストはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Thomasテストは、仰臥位で検査を行う際に、対側の股関節を最大屈曲させて腰椎の過前弯をフラットにした状態で、評価する側の股関節がベッドから浮き上がってしまうことで陽性となり、股関節の屈曲拘縮(特に腸腰筋の短縮)が存在することを示します。これは股関節の屈曲拘縮を評価するための代表的な理学検査です。
選択肢ごとの解説
- 1. Adsonテストは胸郭出口症候群(特に斜角筋症候群)を評価する検査であり、股関節の屈曲拘縮とは関連がありません。正しくは:Adsonテストは胸郭出口症候群を評価する検査です。選びやすい理由:一般的な整形外科テストの一つとして知られているため、選択肢として目を引く可能性があります。混同注意:他の神経学的、血管系の検査と混同されやすいです。
- 2. Jacksonテストは腰部または頚部の神経根症状(椎間板ヘルニアなどによる圧迫)を評価する検査であり、股関節の屈曲拘縮とは関係ありません。正しくは:Jacksonテストは腰部または頚部の神経根症状を評価する検査です。選びやすい理由:圧迫テストとして知られているため、一般的な検査手技として記憶にある場合があります。混同注意:頚部神経根症状のJackson圧迫テストと、腰部神経根症状のJacksonテストの両方があるため、その違いで混乱しやすいです。
- 3. Lachmanテストは膝関節の前十字靭帯(ACL)損傷の有無を評価する検査であり、股関節の屈曲拘縮とは異なります。正しくは:Lachmanテストは前十字靭帯損傷を評価する検査です。選びやすい理由:膝関節の安定性テストとして非常に有名であるため、知っている検査として選んでしまう可能性があります。混同注意:膝関節の他の靭帯損傷テスト(前方引き出しテスト、後方引き出しテストなど)と混同されやすいです。
- 4. Neerテストは肩関節のインピンジメント症候群、特に肩峰下インピンジメント症候群を評価する検査であり、股関節の屈曲拘縮とは関係ありません。正しくは:Neerテストは肩関節のインピンジメント症候群を評価する検査です。選びやすい理由:肩関節の代表的な理学検査として多くの学生が学習するため、他の関節の拘縮と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:肩関節の他のインピンジメントテスト(Hawkins-Kennedyテストなど)や腱板損傷テスト(Painful arcなど)と混同されやすいです。
- 5. 正解。Thomasテストは、仰臥位で片側の股関節を最大屈曲させ、反対側の股関節がベッドから浮き上がるかどうかで、股関節の屈曲拘縮(主に腸腰筋の短縮)の有無を評価する検査です。設問の通り、股関節の屈曲拘縮を調べるテストに該当します。
国試ポイント
この問題は、各関節の代表的な拘縮や不安定性を評価するための特定の理学検査法に関する知識を問うものです。各テストの名称と、それがどの関節のどのような病態を評価するものなのかを正確に理解しているかが重要となります。
混同注意
股関節の他の可動域制限を評価する検査(例: Oberテスト、Elyテストなど)や、他の関節の拘縮を評価する検査と混同しやすいです。また、テスト名が似ていても全く異なる部位や病態を評価するものがあるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
各理学検査の名称だけでなく、その目的(どの関節のどの病態を評価するか)と具体的な検査手技(どのような肢位で何を確認するか)までをセットで覚えるようにします。特に、同じ名称でも部位や目的が異なるテスト(例:Jacksonテスト)には注意が必要です。
関連知識
Thomasテストの陽性所見が意味する筋肉の短縮(腸腰筋、大腿直筋など)。他の股関節の可動域制限を評価するテスト(Oberテスト:腸脛靭帯の短縮、Elyテスト:大腿直筋の短縮)、また、他の関節の代表的な拘縮テスト。