松葉杖の使用について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
松葉杖の脇当ては、腋窩に直接当てると腋窩部の神経や血管を圧迫して松葉杖麻痺を起こすため、腋窩から4〜5 cm程度離します(公式正答2)。体重は脇当てではなく握りで支えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 松葉杖は腋窩で体重を支えるように使用すると、上体が屈曲しやすくなり、体幹の伸展位保持が難しい場合があります。また、ロフストランド杖は前腕で支持するため、体幹をより安定して保持しやすい特性があります。正しくは:ロフストランド杖と比較して、歩行中に体幹を伸展位で保持するのが難しい場合がある。選びやすい理由:松葉杖がより広い支持基底面を提供するため、体幹の安定性が高いと誤解しやすい。混同注意:杖の種類による体幹保持能力の違い。
- 2. 正解。腋窩と脇当ての間は4〜5 cm程度の距離を設け、腋窩部の神経・血管の圧迫による松葉杖麻痺を防ぎます。
- 3. 松葉杖のグリップを握る際は、肘関節を軽く屈曲させた状態(約30度程度)が適切です。完全に伸展させてしまうと、上腕三頭筋が過度に伸張され、腕の疲労や不安定性につながります。正しくは:肘関節を約30度屈曲させた状態でグリップを握る。選びやすい理由:肘を伸ばすことで安定すると錯覚しやすい。混同注意:正しい肘関節の角度。
- 4. 階段を昇る際は、「良い脚(健側)から先に、次に杖と悪い脚(患側)を一緒に」という順序が基本です。安全を確保するため、先に良い脚で一段上がり、その後に杖と患側を持ち上げます。正しくは:階段を昇る際は、健側の下肢を先に一段上げる。選びやすい理由:階段を降りる際の「杖→患側→健側」と混同しやすい。混同注意:階段昇降時の正しい順序(昇り vs 降り)。
- 5. 松葉杖は、片足または両足の体重の一部または全部を支持することが可能であり、T字杖(一本杖)と比較して、はるかに高い免荷効果を発揮できます。T字杖は支持基底面の拡大とバランス補助が主目的で、免荷効果は限定的です。正しくは:T字杖と比較すると、体重の免荷効果は大きい。選びやすい理由:松葉杖の免荷効果が過小評価されている場合がある。混同注意:杖の種類による免荷能力の違い。
国試ポイント
松葉杖の適切な使用方法(設定、歩行順序、注意点)に関する基本的な知識が問われています。特に、誤った使用による合併症(松葉杖麻痺)の予防に関する理解が重要です。
混同注意
松葉杖、ロフストランド杖、T字杖など、様々な杖の種類とその特性(免荷能力、安定性)が混同されやすいです。また、階段昇降時の順序は、昇り降りで異なるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
松葉杖のグリップ高さを調整する際の適切な姿勢や、非荷重歩行時の具体的な指導方法など、より実践的な場面設定での問題が出題される可能性があります。
関連知識
松葉杖麻痺の原因と症状、各杖の適応と使用方法、歩行訓練の種類と目的、ADL指導の原則。