図のような所見において考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
図は患者が仰向けで股関節と膝関節を屈曲させ、足底を床につけている状態(ギャレアッジテストまたはアリス徴候の体位)を示しています。右膝の高さが左膝に比べて低いことから、右大腿骨が相対的に短縮していると考えられ、これは右股関節の脱臼を示唆する所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 仙腸関節機能不全は仙腸関節の動きの異常によるものであり、股関節脱臼のように大腿骨の相対的な短縮を引き起こすことはありません。正しくは:仙腸関節機能不全では、局所の痛みや可動域制限、特定のストレス検査での誘発痛などが主に見られます。選びやすい理由:骨盤周囲の疾患として股関節脱臼と関連付けて誤解される可能性がありますが、直接的な所見とは異なります。混同注意:股関節周囲の痛みを生じる他の疾患
- 2. 正解。ギャレアッジテスト(アリス徴候)において、患側の膝が健側に比べて低い場合、その大腿骨が相対的に短縮していることを示し、股関節脱臼の重要な所見となります。図では右膝が左膝より低いため、右股関節脱臼が考えられます。選びやすい理由:画像から得られる情報と直接結びつくため、選択しやすいです。
- 3. 膝蓋骨脱臼は膝蓋骨が正常な位置からずれる状態であり、大腿骨の相対的な長さに影響を与えません。膝の高さが左右で異なるという所見とは関連性が低いです。正しくは:膝蓋骨脱臼では、膝関節の腫脹、痛み、膝蓋骨の異常な位置、膝関節の不安定性などが観察されます。選びやすい理由:「脱臼」という言葉から、関節の異常として考えられやすいですが、対象関節が異なります。混同注意:股関節脱臼と膝関節脱臼の鑑別
- 4. 半月板損傷は膝関節内部の軟骨組織の損傷であり、関節の動きの制限や痛み、ロッキング現象などが主症状です。大腿骨の相対的な長さに影響を与えることはありません。正しくは:半月板損傷では、膝の痛み、クリック音、ロッキング、圧痛などが主な所見です。選びやすい理由:膝の異常として考えられますが、本テストの所見とは異なります。混同注意:膝関節の他の障害
- 5. 後十字靱帯損傷は膝関節の安定性を損なうものであり、膝の不安定性や疼痛が主な症状です。大腿骨の相対的な長さに直接的な影響を及ぼすものではありません。後方引き出しテストなどで評価されます。正しくは:後十字靱帯損傷では、膝関節の後方不安定性(後方引き出しテスト陽性)や膝窩部の痛みが見られます。選びやすい理由:膝関節の重大な損傷として考えられますが、図の所見とは直接関係ありません。混同注意:膝関節の他の靱帯損傷
国試ポイント
ギャレアッジテスト(アリス徴候)は、股関節脱臼や大腿骨の長さ異常を評価する重要な理学所見であること。膝の高さの違いが大腿骨の長さに起因すること。
混同注意
膝蓋骨脱臼や半月板損傷、靱帯損傷は膝関節の異常であり、このテストで検出される大腿骨の相対的短縮とは直接関係ありません。仙腸関節機能不全は股関節や膝関節の形状変化を引き起こしません。
次に同じ論点が出たら
同様の画像所見が出た場合、両膝の高さを比較し、低い側の股関節(大腿骨)に異常がある可能性を判断します。特に、大腿骨の短縮を示唆する所見であることを理解していれば正答できます。
関連知識
乳児の先天性股関節脱臼のスクリーニング検査としても用いられる。他に、ペルテス病や大腿骨頭すべり症など、大腿骨頭や大腿骨近位部の疾患で大腿骨の相対的短縮が生じることがある。