筋と下顎の運動の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
外側翼突筋は、下顎頭を関節円板とともに前方に引き出し、下顎を前突させる主要な筋肉です。同時に開口運動にも重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 咬筋の主な作用は、下顎を閉じる(挙上)ことです。下制ではありません。正しくは:咬筋による下顎の挙上運動選びやすい理由:咀嚼筋であるため、漠然と下顎の動きに関わるという認識から選んでしまうかもしれません。しかし、具体的な作用は異なります。混同注意:下顎の下制に関わるのは、顎二腹筋やオトガイ舌骨筋、顎舌骨筋などの舌骨上筋群です。
- 2. 顎二腹筋の主な作用は、下顎を開く(下制)ことです。挙上ではありません。正しくは:顎二腹筋による下顎の下制運動選びやすい理由:顎二腹筋は舌骨上筋群の一つで、下顎と舌骨をつないでいるため、複雑な動きに関わると誤解しやすいかもしれません。舌骨上筋群は、主に舌骨を固定することで、あるいは舌骨が固定されている場合は下顎を下制することで開口運動に寄与します。混同注意:下顎の挙上に関わるのは、咬筋、側頭筋、内側翼突筋などです。
- 3. 正解。外側翼突筋は、下顎頭を関節円板とともに前方へ引き出し、下顎を前方に突き出す(前突)作用を持っています。また、開口運動にも重要な役割を果たします。
- 4. 内側翼突筋の主な作用は、下顎の挙上と、外側翼突筋とともに働くことで下顎の側方移動です。後退作用はありません。正しくは:内側翼突筋による下顎の挙上運動、または側方移動運動選びやすい理由:咀嚼筋として他の運動に関わることは知っていても、具体的な動きを混同しやすいです。混同注意:下顎の後退に関わるのは、側頭筋の後部線維です。
- 5. オトガイ舌筋は舌の運動に関わる筋肉であり、下顎の直接的な側方移動作用はありません。舌を前方・下方に突出させる働きがあります。正しくは:オトガイ舌筋は舌の突出・下制に関与します。下顎の側方移動は、主に外側翼突筋と内側翼突筋が片側性に収縮することで起こります。選びやすい理由:舌に関わる筋肉であるため、口周りの複雑な動き全般に関わると誤解しやすいかもしれません。混同注意:下顎の側方移動(偏位)には、外側翼突筋と内側翼突筋が関与します。オトガイ舌筋は舌の固有筋の一つです。
国試ポイント
咀嚼筋群(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)と舌骨上筋群、舌骨下筋群のそれぞれの筋肉が、下顎のどの運動(挙上、下制、前突、後退、側方移動)に主に作用するかを正確に理解しているかが問われます。特に、外側翼突筋は開口と前突、側方移動に関わる特殊な作用を持つため、よく出題されます。
混同注意
咀嚼筋群の作用が相互に似ている部分があるため、正確な区別が難しいことがあります。特に、外側翼突筋と内側翼突筋の作用(前突、後退、側方移動、挙上、下制)を混同しやすいです。また、舌骨上筋群の開口作用も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各咀嚼筋の起始・停止、神経支配(多くは三叉神経支配)、そして単独収縮時と共同収縮時の下顎運動を想起できるかを確認しましょう。特に、開口運動における各筋肉の貢献度や、閉口時に最も強力な筋群は何かといった比較問題も考えられます。
関連知識
下顎運動に関わる主要な筋肉の作用は以下の通りです。 ・下顎挙上(閉口):咬筋、側頭筋、内側翼突筋 ・下顎下制(開口):顎二腹筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋(舌骨上筋群)、外側翼突筋 ・下顎前突:外側翼突筋、内側翼突筋 ・下顎後退:側頭筋後部線維、顎二腹筋 ・下顎側方移動:片側の外側翼突筋、内側翼突筋