プラットホームが後方へ動いたときの姿勢の変化と筋活動を図に示す。外乱に対して最も早く筋活動が観察された筋①に相当するのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
プラットフォームが後方へ動くと、慣性の法則により身体の重心は相対的に前方へ移動し、身体は前傾しようとします。このバランス失調に対して、身体を後方へ引き戻し安定化させるために、足関節戦略が最も早く用いられます。足関節戦略では、足関節の底屈筋群が主に活動し、その中でも腓腹筋が最も早期に活動を開始します。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊柱起立筋は体幹の伸展に関与し、後方への動揺に対する最終的なバランス保持に重要ですが、足関節周囲の筋群よりも反応は遅いです。正しくは:後方動揺に対して最も早く活動する筋は、足関節戦略に関わる筋群です。選びやすい理由:体幹の安定化に重要な筋ですが、外乱に対する初期反応としては遅いです。混同注意:広範囲の姿勢制御に関わるため、初期反応と誤解されることがあります。
- 2. 前脛骨筋は足関節の背屈筋であり、通常はプラットフォームが前方へ動いた際に重心を後方へ引き戻すために活動します。プラットフォームが後方へ動いた場合は、重心が前方へ移動するため、足底筋群が初期に活動します。正しくは:前脛骨筋は前方への外乱(重心後方移動)に対する主な反応筋です。選びやすい理由:足関節周囲の筋として考慮されるかもしれませんが、作用方向が異なります。混同注意:足関節周囲の主要な筋であるため、外乱の種類に関わらず初期反応筋と混同されがちです。
- 3. ハムストリングスは大腿後面の筋群であり、膝関節の屈曲や股関節の伸展に関与します。後方動揺に対するバランス反応では、足関節の筋活動に続いて、股関節戦略として活動することが多いですが、最も早期ではありません。正しくは:ハムストリングスは主に股関節戦略に関与し、初期の反応ではありません。選びやすい理由:股関節戦略として早期に活動するイメージがあるかもしれませんが、足関節戦略の次です。混同注意:股関節周辺の大きな筋群であるため、重要な役割を果たすと誤解されることがあります。
- 4. 正解。プラットフォームが後方へ動くと、重心が前方へ移動し、身体が前傾する傾向が生じます。この際、バランスを保つために足関節の底屈筋である腓腹筋が、足関節戦略の一環として最も早く収縮し、身体を後方へ引き戻そうとします。正しくは:記載の通り。選びやすい理由:他の足関節周囲の筋や、より上位の体幹筋もバランスに関与するため、迷う可能性があります。混同注意:「前脛骨筋」と混同しがちですが、外乱の方向によって反応する筋が異なります。
- 5. 腹直筋は体幹の屈曲に関与し、主に前方への動揺に対する体幹の安定化や、体幹戦略において活動します。プラットフォームの後方移動に対する最も早期の反応筋ではありません。正しくは:腹直筋は体幹を安定させる筋ですが、外乱に対する初期のバランス反応としては遅いです。選びやすい理由:体幹の安定に重要な筋として考慮されるかもしれませんが、初期反応ではありません。混同注意:体幹の主要な安定化筋であるため、初期反応と誤解されることがあります。
国試ポイント
姿勢制御における足関節戦略と股関節戦略の理解、および各戦略における主要な筋群の活動順序と役割が問われています。特に、外乱の方向とそれに対する初期反応筋の関係を正確に把握しているかが重要です。
混同注意
前脛骨筋(プラットフォーム前方移動に対する主要な反応筋)や、ハムストリングス(足関節戦略に続く股関節戦略の主要筋)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
この知識は、転倒予防やバランス訓練プログラムの立案において、どの筋群を強化・賦活すべきかを判断する基礎となります。
関連知識
姿勢制御には、足関節戦略、股関節戦略、ステップ戦略などがあり、外乱の大きさや方向によって選択される戦略や活動する筋群の順序が異なります。足関節戦略は小範囲の動揺に対して主に用いられ、腓腹筋、前脛骨筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、脊柱起立筋、腹筋群が順次、または協調して活動します。