Trendelenburg徴候が生じやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Trendelenburg徴候は、歩行時や片脚立位時に、体重を支えている側の股関節外転筋(中殿筋、小殿筋)が機能不全を起こしているために、反対側の骨盤が挙上できずに下垂する現象を指します。変形性股関節症では、関節の痛みや変形、または外転筋群の筋力低下により、この徴候が生じやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Trendelenburg徴候は、股関節の外転筋群(特に中殿筋、小殿筋)の機能不全、筋力低下、または股関節の不安定性によって生じます。変形性股関節症では、関節の変形や痛みによりこれらの筋の機能が低下しやすく、また手術後には外転筋群が損傷することがあるため、この徴候が見られやすくなります。
- 2. 変形性足関節症は足関節の疾患であり、股関節の外転筋群の機能に直接的な影響を与えません。正しくは:Trendelenburg徴候は股関節の病態と関連が深いです。選びやすい理由:関節症という点で、同じ下肢の疾患であるため誤解を招くかもしれませんが、影響する関節が異なります。混同注意:股関節の問題と足関節の問題が混同される可能性があります。
- 3. 変形性膝関節症は膝関節の疾患であり、股関節の外転筋群の機能に直接的な影響を与えません。ただし、膝の痛みや変形から歩行パターンが変化し、間接的に股関節への負担が増える可能性はありますが、直接的なTrendelenburg徴候の原因とはなりません。正しくは:Trendelenburg徴候は股関節の外転筋機能と関連が深いです。選びやすい理由:下肢の大きな関節の変形性疾患という点で選択肢として紛らわしいですが、原因部位は異なります。混同注意:膝関節の疾患と股関節の疾患が混同される可能性があります。
- 4. 腰椎分離症は腰椎の疾患であり、股関節の外転筋群の機能に直接的な影響を与えません。神経根症状を伴う場合は下肢筋力低下をきたす可能性はありますが、直接的にTrendelenburg徴候の原因となることは稀です。正しくは:Trendelenburg徴候は股関節周囲筋の機能不全を示します。選びやすい理由:体幹の安定性や下肢の運動に関連する脊椎の疾患であるため、関連があるように思えるかもしれませんが、直接的な原因ではありません。混同注意:脊椎疾患による下肢症状と股関節疾患による症状が混同される可能性があります。
- 5. 腰部脊柱管狭窄症は脊柱管内の神経圧迫によるもので、下肢の痛みやしびれ、間欠性跛行などが主症状です。股関節の外転筋群の機能不全に直接つながるものではありません。正しくは:Trendelenburg徴候は主に股関節の外転筋の機能障害に関連します。選びやすい理由:下肢症状を呈する脊椎疾患であるため、選択肢として紛らわしいですが、股関節の外転筋機能とは直接関係ありません。混同注意:脊椎疾患による神経症状と股関節の外転筋機能不全が混同される可能性があります。
国試ポイント
Trendelenburg徴候がどの関節、どの筋の機能不全と関連しているかを理解しているか、またそれが見られる代表的な疾患を問う問題です。特定の徴候と疾患の組み合わせを正確に覚えることが重要です。
混同注意
股関節の外転筋力低下と他の下肢関節や脊椎の疾患による歩行異常が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、特定の身体所見(徴候・テスト)がどの部位の、どのような病態や機能不全を示すのか、そしてその代表的な原因疾患は何であるか、という知識の連鎖を問われる可能性が高いです。
関連知識
Trendelenburg徴候の評価方法(片脚立位)、関連筋(中殿筋、小殿筋)、他の関連疾患(発達性股関節形成不全、殿筋麻痺など)。Trendelenburg徴候とDuchenne徴候の違い。