交感神経の節前線維で直接支配されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
副腎髄質は、交感神経系の節前線維によって直接支配される特殊な例です。一般的に、交感神経の節前線維は交感神経節で節後線維にシナプスを形成しますが、副腎髄質の場合、節前線維が直接副腎髄質のクロム親和性細胞に到達し、神経伝達物質であるアセチルコリンを放出して、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)の分泌を促進します。このメカニズムは、副腎髄質が形態的に交感神経節のニューロンに相当する細胞から構成されているためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝臓は交感神経の支配を受けますが、その神経線維は交感神経節を介して節後線維として肝臓に到達します。節前線維による直接支配ではありません。正しくは:肝臓は交感神経の節後線維によって支配されます。選びやすい理由:肝臓が自律神経(交感神経)の支配を受けることは事実なので、問題文の「直接支配」という条件を見落とすと選択肢として選んでしまう可能性があります。混同注意:自律神経による臓器支配の有無と、節前線維が直接支配するという特殊な伝達経路の区別が混同されやすいです。
- 2. 心臓は交感神経の支配を受け、心拍数や収縮力を調節しますが、心臓を支配する交感神経の節前線維は、傍脊椎神経節で節後線維にシナプスを形成し、その節後線維が心臓を支配します。直接支配ではありません。正しくは:心臓は交感神経の節後線維によって支配されます。選びやすい理由:心臓は交感神経の主要な標的臓器であり、その機能が強く影響されるため、直接支配ではないという点を見過ごしがちです。混同注意:自律神経による臓器支配の有無と、節前線維が直接支配するという特殊な伝達経路の区別が混同されやすいです。
- 3. 気管支も交感神経の支配を受けますが、その伝達経路は交感神経節を介した節後線維によるものです。節前線維が直接気管支を支配することはありません。正しくは:気管支は交感神経の節後線維によって支配されます。選びやすい理由:気管支の拡張は交感神経の作用であり、その作用が強く印象に残っていると、直接支配かどうかの判断を誤る可能性があります。混同注意:自律神経による臓器支配の有無と、節前線維が直接支配するという特殊な伝達経路の区別が混同されやすいです。
- 4. 唾液腺は交感神経の支配を受けますが、その神経線維は交感神経節でシナプスを形成した後の節後線維として唾液腺に到達します。節前線維による直接支配ではありません。正しくは:唾液腺は交感神経の節後線維によって支配されます。選びやすい理由:唾液分泌も自律神経によって調節されるため、他の臓器と同様に、直接支配ではない点を見落としやすいです。混同注意:自律神経による臓器支配の有無と、節前線維が直接支配するという特殊な伝達経路の区別が混同されやすいです。
- 5. 正解。副腎髄質は、交感神経系の節前線維によって直接支配されます。これは、副腎髄質のクロム親和性細胞が、発生学的には交感神経節のニューロンに相当する変形した細胞であるためです。節前線維からのアセチルコリン刺激により、副腎髄質からカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が血中に放出されます。
国試ポイント
この問題は、自律神経系の基本的な神経伝達経路、特に交感神経系の例外的な支配形態を理解しているかを問うものです。通常の交感神経経路(節前線維 → 交感神経節 → 節後線維 → 標的器官)と、副腎髄質への直接支配(節前線維 → 副腎髄質)という特殊性を区別できるかが重要となります。また、神経伝達物質とその作用についても関連知識として問われることがあります。
混同注意
一般的な交感神経の伝達経路(節前線維が神経節でシナプスを形成し、節後線維が標的器官を支配する)と、副腎髄質のように節前線維が神経節を介さずに直接標的器官(ここでは変形した神経節とみなされる副腎髄質)を支配する特殊な経路とを混同しやすいです。また、各臓器が交感神経の支配を受けることは事実であるため、「直接支配」という条件を見落とすと誤答に繋がりやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず問題文中の「直接支配」や「節前線維」といったキーワードに注意を払うべきです。そして、自律神経系の中で、節前線維が神経節を介さずに直接標的臓器を支配する例外的なパターン(代表例が副腎髄質)をしっかりと記憶しているかを確認してください。さらに、神経伝達物質がアセチルコリンであること、標的細胞がカテコールアミンを分泌することも合わせて確認しましょう。
関連知識
交感神経系と副交感神経系の解剖学的・生理学的特徴(神経節の位置、神経線維の長さ、放出される神経伝達物質とその受容体、各臓器への作用)、副腎髄質から分泌されるホルモンとその機能、自律神経系の病態生理。