人工透析患者の死亡原因として最も多いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
人工透析患者の死亡原因として最も多いのは心不全を含む心血管疾患です。透析患者は動脈硬化の進行、高血圧、糖尿病、脂質異常症、貧血、電解質異常(高カリウム血症、高リン血症など)、血管石灰化など、心臓に大きな負担をかける多くのリスク因子を抱えています。これらの因子が複合的に作用し、心不全や虚血性心疾患(心筋梗塞など)を引き起こしやすいため、心血管疾患が主要な死亡原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺炎は透析患者さんの重要な合併症であり死亡原因の一つですが、心血管系の合併症と比較すると頻度は低いです。正しくは:肺炎は透析患者の死亡原因となるが、最も多いわけではない。選びやすい理由:免疫機能低下により感染症にかかりやすいという知識から、肺炎を選びやすいかもしれません。混同注意:感染症全般のリスクと、最も多い死亡原因である心血管疾患を混同しやすいです。
- 2. 正解。人工透析患者さんの主要な死亡原因は、心不全や心筋梗塞などの心血管疾患です。これは、透析患者が動脈硬化の進行、高血圧、糖尿病、電解質異常、貧血など、多くの心血管リスク因子を抱えているためです。選びやすい理由:これは正解です。
- 3. 脳出血を含む脳血管障害も透析患者さんの死亡原因となりますが、心血管疾患よりも頻度は低いです。正しくは:脳出血は透析患者の死亡原因となるが、最も多いわけではない。選びやすい理由:高血圧がリスク因子であることから選びやすいかもしれませんが、心血管疾患全体の方が頻度が高いです。混同注意:脳血管疾患と心血管疾患を同等視しやすいですが、透析患者では心不全などの心血管イベントがより主要な死亡原因となります。
- 4. 透析患者さんでは悪性腫瘍の発生リスクが高まるとされていますが、死亡原因として最も多いのは心血管疾患です。正しくは:悪性腫瘍も透析患者の死亡原因となるが、最も多いわけではない。選びやすい理由:免疫機能の低下と関連付けて選びやすいかもしれませんが、データ上は心血管疾患が上回ります。混同注意:免疫不全による発がんリスクと、実際の死亡原因の頻度を混同しやすいです。
- 5. 慢性肝炎自体が直接的な主要死亡原因となることは稀です。透析患者さんにおいては、肝炎ウイルス感染(特にB型、C型)のリスクはありますが、それによる肝硬変や肝がんが主要な死因となるよりは、心血管疾患の方が圧倒的に多いです。正しくは:慢性肝炎は透析患者の主要な死亡原因ではない。選びやすい理由:過去の輸血などによる感染症リスクから連想しやすいかもしれませんが、直接的な死因としては他の選択肢より低いと考えられます。混同注意:ウイルス性肝炎の合併リスクと、それが最も主要な死因となるかどうかの判断を混同しやすいです。
国試ポイント
透析患者における主要な合併症と死亡原因に関する基本的な知識が問われています。特に、複数のリスク因子が絡み合う心血管疾患の重要性を理解しているかがポイントです。
混同注意
感染症(肺炎など)や脳血管障害、悪性腫瘍も透析患者の死亡原因となり得るため、これらの重要性と最も頻度が高い心血管疾患との優先順位を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、心血管疾患の内訳(心不全、心筋梗塞など)や、具体的な心血管リスク因子(高血圧、糖尿病、高リン血症など)が問われる可能性があります。
関連知識
透析患者の死亡原因の順位(心不全などの心血管疾患 > 感染症 > 悪性腫瘍 > 脳血管障害)。透析患者の合併症(腎性貧血、二次性副甲状腺機能亢進症、腎性骨症、アミロイドーシスなど)。