75歳の男性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。右短下肢裝具を装着し四脚杖を使用して介助なく20 mまでの歩行が可能である。食事は左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない。歩行と食事のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
FIMの歩行は50 m以上の移動で判定し、50 m未満でも15 m以上を介助なく歩行できる場合は例外的に5点とします。この患者は装具と四脚杖を使用して20 mまでしか歩けないため、歩行は5点です。食事は、普通のスプーンやフォークを使用して介助なく食べられれば完全自立の7点であり、箸が使えなくても減点しません。したがって歩行5点・食事7点の組合せが正しいです(公式正答4)。
選択肢ごとの解説
- 1. 歩行は20 mまでのため6点にはなりません(50 m未満で15 m以上の自立は5点)。食事も通常の食器で自立しているため7点です。正しくは:歩行:6点、食事:6点混同注意:FIMの点数付けにおいて、介助の有無と道具の使用の有無を混同しやすいです。介助なしでも道具を使用する場合は修正自立(6点)となります。
- 2. 歩行は20 mまでのため6点にはならず5点です。食事は普通のスプーンやフォークで自立しているため7点です。正しくは:歩行:6点、食事:6点選びやすい理由:最小介助(4点)は、介助者が25%未満の介助を行う場合に適用されます。この患者は介助なしで動けているため、不適切です。混同注意:介助の割合に関するFIMの定義を正確に理解していないと、介助なしで動けていても低い点数を選んでしまう可能性があります。
- 3. 歩行は5点で正しいですが、食事は普通のスプーンやフォークを使用して介助なく食べられるため7点であり、6点ではありません。正しくは:歩行:6点、食事:6点選びやすい理由:監視・準備(5点)は、見守りや道具の準備が必要な場合に適用されます。この患者は介助なく自力で行えるため、不適切です。混同注意:FIMにおける「監視・準備」と「修正自立」の区別が曖昧だと、見守りがなくても道具を使用するだけで5点と誤解する可能性があります。
- 4. 正解。歩行は50 m未満だが15 m以上(20 m)を介助なく歩けるため5点、食事は通常の食器で自立しているため7点です。
- 5. 歩行は15 m以上を介助なく歩けるため4点ではなく5点です。正しくは:歩行:6点、食事:6点選びやすい理由:「介助なく」という記述から、7点(完全自立)を選びたくなるかもしれませんが、FIMでは補助具の使用や修正がある場合は6点(修正自立)となります。混同注意:FIMの「完全自立(7点)」と「修正自立(6点)」の定義を混同しやすいです。補助具の使用や時間の延長、安全性の問題、修正を要する場合は修正自立となります。
国試ポイント
FIMの歩行(50 m・15 mの距離基準)と食事(通常の食器で自立しているか)の採点基準を理解しているかが問われています。
混同注意
装具や杖を使って自立しているため歩行を6点(修正自立)と考えがちですが、6点・7点は50 m以上の歩行が前提です。食事で箸が使えないことは減点の対象になりません。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず「介助の有無」を確認し、介助がない場合は5点以上で検討します。次に、「補助具の使用」「安全上の懸念」「時間延長」「特別な工夫/修正」のいずれかがあるかを確認し、これらが存在すれば「修正自立(6点)」、これらが全てなく完全に自力で問題なく行える場合は「完全自立(7点)」と判断します。
関連知識
FIMの点数付けの各レベル(1点から7点まで)の定義、特に「介助なし」の5点以上(監視・準備、修正自立、完全自立)の違いを詳細に理解しておくことが必須です。また、FIMの各項目(運動項目と認知項目)の内容と、それぞれの評価ポイントも重要です。