歩行練習中に患者が転倒した場合、最も優先して行うのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
患者が転倒した際、最も優先すべきは、まず患者の現状における危険を排除し、さらなる損傷や生命の危険がないようにすることです。意識レベルの確認、呼吸の有無、大量出血の確認など、迅速な観察と安全な体位の確保が含まれます。その後にバイタルサイン測定、応援要請、医師への報告、記録といった次の段階へ移行します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。転倒直後、まず患者さんの状態(意識、呼吸、出血など)を確認し、さらなる損傷や危険がないように安全な体勢を確保することが最優先です。これは、患者さんの生命と健康を守るための最も基本的な行動です。
- 2. 主治医への報告は重要な手続きですが、患者さんの安全確保が済んでから行うべきです。緊急性のある危険が排除されていない状況での報告は優先されません。正しくは:患者さんの安全確保が済み、緊急の処置が完了した後に行うべきです。選びやすい理由:医療事故として報告義務があるため、重要な行為だと認識しやすいためです。混同注意:緊急時の連絡義務と、現場での患者の直接的な安全確保の優先順位を混同しやすいです。
- 3. 診療録への記載は後で必ず行うべき重要な業務ですが、転倒直後の緊急対応としては優先度が低いです。まずは患者さんの生命と安全を確保することが優先されます。正しくは:患者さんの安全が確保され、必要な処置が完了した後に、事実に基づき詳細に記録すべきです。選びやすい理由:医療従事者としての義務であり、後々の証拠となるため重要だと感じやすいです。混同注意:インシデント管理の一環としての記録の重要性と、現場での即時対応の優先順位を混同しやすいです。
- 4. 患者さんの状態によっては応援が必要になることもありますが、まず自身で可能な範囲で患者さんの安全を確保し、状況を判断することが先です。応援を待っている間に患者さんの状態が悪化するリスクがあります。正しくは:患者さんの状態確認と初期の安全確保が終わり、自分一人での対応が困難と判断した場合に、速やかに行うべきです。選びやすい理由:一人での対応には限界があると感じるため、応援を呼ぶことが最善手だと錯覚しやすいです。混同注意:チーム医療の重要性と、個々の医療従事者が果たすべき初期対応の役割を混同しやすいです。
- 5. バイタルサインの測定は患者さんの状態を客観的に把握するために非常に重要ですが、まずは肉眼で患者さんの状態(意識レベル、大出血の有無、呼吸の有無など)を迅速に確認し、危険を排除する「安全確保」が先です。バイタルサイン測定には時間がかかります。正しくは:安全確保の後に、患者さんの状態を詳細に把握するために速やかに行うべきです。選びやすい理由:患者の状態を評価する上で必須の項目であるため、すぐに実施すべきだと考えやすいです。混同注意:状態評価の重要性と、直ちに生命の危機を回避するための行動の優先順位を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、理学療法士として緊急時に適切な判断と行動ができるか、特に優先順位を理解しているかを問うものです。転倒という頻繁に起こりうる事故に対し、医療従事者としての初期対応の原則(D-R-S-A-B-Cなど)が理解できているかが重要です。
混同注意
緊急時の対応では、報告や記録、詳細な評価も重要ですが、これらは目の前の患者の安全が確保された後の行動です。即座の危険回避と、その後の手続きや評価との優先順位を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、「最も優先すべき」「まず行うべき」といった指示語に注目し、生命の危険やさらなる損傷のリスクを回避する行動が選択肢にあるかを判断します。具体的な行動としては、声かけ、意識確認、呼吸確認、出血の有無、体位の調整などが含まれます。
関連知識
一次救命処置(BLS)、二次救命処置(ACLS)、インシデント・アクシデント報告、医療安全管理、リスクマネジメント、転倒予防ガイドライン。