認知症の原因になりにくい疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
甲状腺機能亢進症は、気分変動、不眠、集中力低下などの精神症状を呈することがありますが、これらは直接的な認知症とは異なり、適切な治療によって改善が見込まれます。特に認知症の原因としてよく挙げられるのは甲状腺機能低下症であり、両者は混同されやすいため注意が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 葉酸欠乏症は、脳機能に影響を与え、認知症様症状を引き起こすことがあります。正しくは:葉酸欠乏症は認知機能低下の原因となるため、原因になりやすい疾患です。選びやすい理由:栄養素の欠乏はすぐに認知症に直結するというイメージがないため、誤って選びやすいかもしれません。混同注意:他のビタミン欠乏症(例:B12欠乏症)と混同し、いずれも認知機能に影響を与える点で注意が必要です。
- 2. 正常圧水頭症は、歩行障害、尿失禁、認知機能障害の3つの主要症状を呈し、認知症の原因疾患として知られています。正しくは:正常圧水頭症は認知症の原因となるため、原因になりやすい疾患です。選びやすい理由:「正常圧」という言葉から、重篤な状態ではないと誤解し、認知症の原因になりにくいと判断してしまう可能性があります。混同注意:アルツハイマー病や血管性認知症などの変性性認知症と混同し、鑑別が難しい場合がありますが、治療可能な認知症の原因疾患として重要です。
- 3. 慢性硬膜下血腫は、頭部外傷後に時間差で発症し、頭痛、片麻痺、そして認知症様の精神症状を引き起こすことがあります。正しくは:慢性硬膜下血腫は認知症の原因となるため、原因になりやすい疾患です。選びやすい理由:頭部外傷の既往がはっきりしない場合や、症状の進行が緩やかなため、認知症と誤診されやすいです。混同注意:脳腫瘍や他の脳血管障害と混同されることがありますが、画像診断で鑑別可能です。
- 4. 正解。甲状腺機能亢進症は、精神症状(イライラ、不眠、集中力低下など)を伴うことがありますが、直接的な認知症の原因となることは稀です。むしろ、甲状腺機能『低下症』が認知機能の低下を引き起こしやすいことで知られています。選びやすい理由:精神症状が認知症と類似しているため、誤って認知症の原因になりやすいと判断しがちです。混同注意:甲状腺機能『低下症』と混同しやすいですが、低下症は認知症様症状を引き起こしやすい一方で、亢進症は精神症状が主で認知症の原因となることは稀です。
- 5. 特にビタミンB1(脚気脳症)やビタミンB12欠乏症は、神経機能に深刻な影響を与え、認知症様症状や精神症状を引き起こすことが知られています。正しくは:ビタミンB欠乏症は認知症の原因となるため、原因になりやすい疾患です。選びやすい理由:ビタミン欠乏症という言葉から、軽度な症状を連想し、認知症の原因になりにくいと誤って判断することがあります。混同注意:葉酸欠乏症(ビタミンB群の一種)と同様に、栄養欠乏による認知機能障害として認識すべきです。他の神経疾患と混同されやすい点も注意です。
国試ポイント
認知症の原因疾患は多岐にわたり、中には治療可能なもの(可逆性認知症)も含まれるため、鑑別診断が重要です。特に、身体疾患が認知症様の症状を引き起こすケースを理解しているかが問われます。甲状腺機能低下症と亢進症の症状の違い、およびそれぞれが認知機能に与える影響を正確に把握していることが重要です。
混同注意
甲状腺機能低下症(認知症の原因になりやすい)と甲状腺機能亢進症(認知症の原因になりにくい)は症状が異なるが、混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、可逆性認知症の原因となる疾患(例:甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、うつ病など)を正確に列挙できるか、また、それぞれの疾患がどのような機序で認知機能に影響を与えるかを問われるでしょう。
関連知識
治療可能な認知症の原因疾患には、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症(B12、葉酸など)、脳腫瘍、うつ病、薬剤性などがあります。これらを鑑別し、早期に治療介入することが重要です。