腱板を構成する筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
腱板(ローテーターカフ)は、肩関節の安定性と運動に不可欠な4つの筋肉、すなわち棘上筋、棘下筋、小円筋、そして肩甲下筋から構成されます。これらの筋肉の腱が上腕骨頭の周囲を覆い、関節を関節窩に引きつけながら様々な方向への回旋運動を可能にします。提示された選択肢の中で、肩甲下筋のみがこの腱板の構成筋です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩甲下筋は、棘上筋、棘下筋、小円筋とともに腱板(ローテーターカフ)を構成する主要な筋肉の一つです。肩関節の内旋作用を担い、上腕骨頭を肩甲骨関節窩に引きつけることで関節の安定性を高めます。
- 2. 三角筋は肩関節の主要なアウターマッスルであり、腕を上げる(外転・屈曲・伸展)強力な作用がありますが、腱板には含まれません。腱板はより深層に位置し、肩関節の安定と微細な動きに関与します。正しくは:三角筋は腱板ではなく、肩関節の大きな動きを担う表層の筋肉です。選びやすい理由:三角筋は肩の筋肉として非常に有名で、肩の機能に大きく関わるため、腱板と混同されやすいかもしれません。混同注意:腱板(インナーマッスル)と表層の大きな筋肉(アウターマッスル)
- 3. 上腕筋は上腕骨に付着し、肘関節の屈曲を主な機能とする筋肉であり、肩関節の腱板には含まれません。正しくは:上腕筋は肘関節の屈筋であり、肩関節の腱板とは無関係です。選びやすい理由:上腕という言葉から、肩に近い筋肉と錯覚する可能性があります。混同注意:肩関節の筋肉と肘関節の筋肉
- 4. 僧帽筋は首から背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩甲骨の挙上・下制・内転・外転や頚部の動きに関与しますが、腱板を構成する筋肉ではありません。正しくは:僧帽筋は背中の表層にある筋肉で、肩甲骨の動きに関与しますが、腱板には含まれません。選びやすい理由:肩甲骨の動きに関わるため、肩周りの筋肉として認識されやすく、腱板と関連づけられそうになります。混同注意:肩関節そのものに付着する筋肉と、肩甲骨や胸郭に付着する筋肉
- 5. 大円筋は肩甲骨から上腕骨に付着し、肩関節の内旋、内転、伸展を行う筋肉ですが、腱板には含まれません。腱板は主に棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉を指します。正しくは:大円筋は肩関節の動きに関わりますが、腱板を構成する4つの筋肉には含まれません。選びやすい理由:肩関節の機能に深く関わるため、腱板の一部と間違えやすいです。混同注意:腱板構成筋と、それ以外の肩関節周囲筋
国試ポイント
この問題は、腱板を構成する筋肉の名称を正確に覚えているかを問う基本的な知識問題です。腱板は解剖学だけでなく、運動学や臨床でも非常に重要な概念であるため、その構成筋は必須の知識となります。類問では、腱板の機能や損傷に関する内容も出題されます。
混同注意
腱板を構成する筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)と、肩関節周囲にあるが腱板には含まれない筋肉(三角筋、大円筋、広背筋など)。特に三角筋や大円筋は肩関節の主要な動きに関与するため、混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、腱板構成筋それぞれの具体的な作用や、どの筋肉が損傷しやすいか(例:棘上筋腱炎)、または腱板損傷時の症状や理学療法評価のポイントが問われる可能性があります。
関連知識
腱板の各筋肉の作用(棘上筋:外転、棘下筋・小円筋:外旋、肩甲下筋:内旋)。腱板損傷の病態や診断、リハビリテーションについても関連知識として重要です。