CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のtypeⅠに認められずtypeⅡに認められるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
CRPS Type Iは『反射性交感神経性ジストロフィー』とも呼ばれ、明らかな神経損傷がないか、その程度が不明な場合に診断されます。一方、CRPS Type IIは『カウザルギー』とも呼ばれ、明確な末梢神経損傷が存在することが特徴です。そのため、末梢神経伝導検査で異常が確認されるのはType IIに特有の所見であり、Type Iでは通常認められません。他の選択肢の症状は、CRPS Type IとType IIの両方で見られる可能性があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 骨萎縮はCRPS Type IでもType IIでも見られる症状です。特にType Iで頻繁に報告されます。正しくは:Type IとType IIの両方で認められる症状である。選びやすい理由:CRPSの一般的な症状として知られているため、区別がつきにくい場合に選択肢として迷う可能性がある。混同注意:CRPS全体の症状と、各Typeの鑑別点とを混同しやすい。
- 2. 痛覚過敏はCRPS Type IとType IIのどちらにも認められる主要な症状の一つです。正しくは:Type IとType IIの両方で認められる症状である。選びやすい理由:CRPSの主要な症状であるため、正しい選択肢だと誤解しやすい。混同注意:CRPS全体の主要症状と、両Typeを鑑別する症状を混同しやすい。
- 3. 発汗異常は、CRPS Type IでもType IIでも自律神経症状として見られることがあります。正しくは:Type IとType IIの両方で認められる症状である。選びやすい理由:自律神経症状はCRPSの診断基準に含まれており、Type Iでも頻繁に見られるため、迷いやすい。混同注意:CRPS全体の自律神経症状と、各Typeの鑑別点とを混同しやすい。
- 4. 皮膚温の異常(上昇または下降)は、CRPS Type IでもType IIでも自律神経症状として見られることがあります。正しくは:Type IとType IIの両方で認められる症状である。選びやすい理由:これもCRPSの診断基準に含まれる自律神経症状であり、Type Iで顕著に見られることがあるため、正しいと誤解しやすい。混同注意:CRPS全体の自律神経症状と、各Typeの鑑別点とを混同しやすい。
- 5. 正解。CRPS Type IIは、末梢神経に明らかな損傷がある場合に診断されます。そのため、神経伝導検査で異常所見が確認されることがType IIの特徴であり、Type Iとの鑑別点となります。Type Iは神経損傷が明らかでない場合に診断されます。選びやすい理由:Type IとType IIの定義を正確に理解していれば、この選択肢が唯一の鑑別点であることが明確である。混同注意:CRPSの病態全体と、Type IとType IIの明確な鑑別基準(特に神経損傷の有無)を混同しやすい。
国試ポイント
CRPSのType IとType IIの鑑別点、特にその定義と病態生理学的な違いを正確に理解しているかを問う問題です。明確な神経損傷の有無が最大のポイントとなります。
混同注意
CRPSの症状全体(痛み、浮腫、皮膚変化、発汗異常、骨萎縮など)と、Type IとType IIを鑑別する決定的な所見(末梢神経損傷の有無)を混同しやすい。特に、自律神経系の症状や栄養障害は両Typeで共通して見られるため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、CRPS Type IとType IIの定義、特に『明らかな神経損傷の有無』とその評価方法(神経伝導検査など)に注目して判断する。また、CRPSの診断基準に含まれる症状の中で、どちらのTypeでも起こりうる症状と、特定のTypeに特徴的な症状を区別できるように学習する。
関連知識
CRPSの診断基準(IASP基準など)、CRPSの病態生理(中枢性感作、自律神経機能不全、炎症反応など)、末梢神経損傷の種類と評価方法(神経伝導検査、筋電図検査など)。