生活への充実感がなく気持ちの沈みが続き、倦怠感や食欲不振を伴うが幻覚や記憶障害は認められないうつ状態の患者に対して、その重症度や治療効果を評価するために最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は3番
解説
ハミルトン評価尺度(HAM-D)は、うつ病およびうつ状態の重症度を他覚的に評価するための代表的な臨床評価尺度である。抑うつ気分だけでなく、食欲不振や倦怠感などの身体的症状項目も含まれている。
選択肢ごとの解説
- 1. せん妄評価ツール(CAM等)は、意識障害や幻覚・妄想を特徴とするせん妄のスクリーニングに用いられるものであり、うつ病の評価には用いない。
- 2. ブルンストローム・ステージは脳卒中片麻痺などの運動麻痺の回復段階を評価するものであり、精神症状の評価には用いない。
- 3. 正解。ハミルトン評価尺度(HAM-D)は、うつ病およびうつ状態の重症度を他覚的に評価するための代表的な臨床評価尺度である。抑うつ気分だけでなく、食欲不振や倦怠感などの身体的症状項目も含まれている。
- 4. ミニメンタルステート検査(MMSE)は、認知機能全般(見当識や記憶など)を評価するスクリーニング検査であり、うつ状態の重症度評価には適さない。
国試ポイント
疾患や症状に応じた評価尺度の使い分け(HAM-D、MMSE、GDSなど)を問う問題が頻出である。
覚え方
うつ(Utsu)の評価はハミルトン(HAM-D)と覚える。
対になる知識
精神症状や機能評価に用いられる主な尺度として、うつ状態の評価にはハミルトン評価尺度(HAM-D)や老年期うつ病評価尺度(GDS)が用いられる。これに対し、認知機能の評価にはミニメンタルステート検査(MMSE)や長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)が用いられる。
関連知識
老年期のうつ病では、意欲低下や気分の落ち込みだけでなく、記憶力の低下が目立ち、しばしば認知症と誤認される「仮性認知症」を呈することがある。そのため、詳細な問診や評価尺度を用いてうつ状態を正しく鑑別し、適切な抗うつ薬治療や精神療法へ繋げることが重要である。