次の症例で最も考えられる頭痛はどれか。「43歳の女性。月に15回以上の頭痛を自覚。ズキズキしたり、締め付けられたりする痛みがある。特に起床時に強く自覚。ここ1年は鎮痛薬を頻繁に服用している。頭部MRI検査では異常はない。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
症例は、月に15回以上の頭痛を自覚し、1年以上鎮痛薬を頻繁に服用していることから、薬物使用過多による頭痛(MOH)が最も考えられる。MOHは、一次性頭痛(特に片頭痛や緊張型頭痛)の患者が、頭痛治療薬を月に10〜15日以上、3ヶ月を超えて連用することで発症する二次性頭痛である。頭痛の性状は多様で、ズキズキしたり締め付けられたりする痛みがあり、起床時に強いという特徴もMOHでよく見られる。頭部MRIで異常がないことも、器質的疾患を除外する上で重要である。
選択肢ごとの解説
- 1. 群発頭痛は、目の奥の激しい痛み、結膜充血、流涙、鼻閉などの自律神経症状を伴うことが特徴的であり、月に15回以上という頻度や、ズキズキ、締め付けられる痛み、起床時という記述からは合致しない。また、薬物乱用が本質的な原因ではない。 正しくは:目の奥の激しい痛み、結膜充血、流涙、鼻閉、眼瞼下垂などの自律神経症状を伴う頭痛であれば群発頭痛を考える。
- 2. 片頭痛は、拍動性の頭痛、悪心・嘔吐、光過敏、音過敏を伴い、通常は月に数回程度の発作性である。月に15回以上の頭痛と鎮痛薬の頻繁な使用は、片頭痛の単なる悪化ではなく、MOHを強く示唆する。 正しくは:悪心・嘔吐、光過敏、音過敏を伴う拍動性頭痛で、発作性が月に数回程度であれば片頭痛を考える。
- 3. 緊張型頭痛は、締め付けられるような頭痛で、肩こりを伴うことが多い。月に15回以上の頻度で起こる慢性緊張型頭痛も存在するが、鎮痛薬の頻繁な服用という情報があるため、MOHをより優先して考えるべきである。 正しくは:頭重感や締め付けられるような非拍動性の頭痛で、肩こりを伴い、薬物乱用がない場合は緊張型頭痛を考える。
- 4. 正解。選択肢4が正解。月に15回以上の頭痛が1年以上続き、鎮痛薬を頻繁に服用しているという病歴は、薬物使用過多による頭痛(MOH)の診断基準に合致する。頭痛の性状が多様である点もMOHの特徴であり、起床時に頭痛が強いこともよく見られる所見である。頭部MRIで異常がないことから、器質的疾患による二次性頭痛は否定される。
国試ポイント
薬物使用過多による頭痛(MOH)の診断基準と、一次性頭痛との鑑別を理解すること。特に鎮痛薬の頻回使用がMOHの重要な手がかりとなる。
混同注意
MOHは、もともとの一次性頭痛(片頭痛や緊張型頭痛)が悪化したものと混同しやすいが、薬物乱用という明確な原因がある点で区別される。また、器質的疾患による二次性頭痛とも混同しやすいが、画像検査で異常がないことが鑑別に役立つ。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出た場合、まず頭痛の頻度(特に月に15日以上)と、鎮痛薬の服用頻度(特に1年以上、月に10〜15日以上)の有無を確認する。また、頭部MRIで器質的疾患が除外されているかどうかも重要。
覚え方
同様の症例が出た場合、まず頭痛の頻度(特に月に15日以上)と、鎮痛薬の服用頻度(特に1年以上、月に10〜15日以上)の有無を確認する。また、頭部MRIで器質的疾患が除外されているかどうかも重要。
対になる知識
MOHは、もともとの一次性頭痛(片頭痛や緊張型頭痛)が悪化したものと混同しやすいが、薬物乱用という明確な原因がある点で区別される。また、器質的疾患による二次性頭痛とも混同しやすいが、画像検査で異常がないことが鑑別に役立つ。
関連知識
MOHの治療は、鎮痛薬の中止(休薬期間の設定)、予防薬の導入、行動療法など多岐にわたる。予防薬としては、抗CGRP抗体製剤が有効な場合がある。休薬時には一時的に頭痛が増悪する可能性があるため、十分な説明と支持が重要である。