次の症例の経脈病証はどれか。「53歳の男性。空腹感があるが食欲がない。呼吸が苦しくせき込む。寝ることを好んで起きたがらない。」
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
足の少陰経病証は、腎の機能低下を主徴とし、「空腹感があるが食欲がない」「呼吸が苦しくせき込む」「寝ることを好んで起きたがらない」といった症状は、腎の虚弱、特に腎陰虚または腎陽虚の症状と合致する。呼吸困難は腎の納気不全、嗜眠は陽気の不足、食欲不振は腎の気化作用の低下に関連する。
選択肢ごとの解説
- 1. 足の太陰経病証は脾の機能失調であり、食欲不振や腹部膨満感、下痢などの消化器症状が主となる。本症例の呼吸困難や嗜眠傾向は脾の病証とは異なるため誤り。 正しくは:足の太陰経病証であれば、腹部膨満、泥状便、倦怠感などが主要症状となる。
- 2. 正解。「空腹感があるが食欲がない」は脾腎両虚の初期症状、「呼吸が苦しくせき込む」は腎の納気不全、「寝ることを好んで起きたがらない」は腎陽虚による陽気の不足を示す。これらは足の少陰経(腎)の病証と合致する。
- 3. 足の陽明経病証は胃の病証を指し、多くは熱証を伴う。高熱、多汗、口渇、腹部膨満・硬結、便秘などが特徴であり、本症例の症状とは一致しないため誤り。 正しくは:足の陽明経病証であれば、高熱、煩渇、便秘などが主要症状となる。
- 4. 足の少陽経病証は胆の病証であり、往来寒熱、胸脇苦満、口苦、咽乾、目眩などが特徴である。本症例の症状とは明らかに異なるため誤り。 正しくは:足の少陽経病証であれば、往来寒熱、胸脇苦満、口苦、咽乾などが主要症状となる。
国試ポイント
足の少陰経病証の主要な症状と、それが腎の生理機能とどのように関連するかを理解し、他の経絡病証との鑑別ができること。
混同注意
足の太陰経病証(脾虚の症状、消化器症状が中心)や足の陽明経病証(胃熱や実熱症状、高熱、多汗など)と混同しやすいが、本症例の嗜眠傾向や呼吸器症状は腎の病証に特異的である。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出題された場合、「空腹感があるが食欲がない」「呼吸が苦しくせき込む」「寝ることを好んで起きたがらない」の3つの症状に注目し、特に腎の納気不全や陽気不足を連想させるものが少陰経病証の決め手となる。
覚え方
同様の症例が出題された場合、「空腹感があるが食欲がない」「呼吸が苦しくせき込む」「寝ることを好んで起きたがらない」の3つの症状に注目し、特に腎の納気不全や陽気不足を連想させるものが少陰経病証の決め手となる。
対になる知識
足の太陰経病証(脾虚の症状、消化器症状が中心)や足の陽明経病証(胃熱や実熱症状、高熱、多汗など)と混同しやすいが、本症例の嗜眠傾向や呼吸器症状は腎の病証に特異的である。
関連知識
足の少陰経は腎・膀胱に属し、生命活動の根本である精気や水の代謝を司る。病証は腎虚によるものが多く、陰虚では口渇、潮熱、盗汗、陽虚では寒がり、浮腫、性機能低下など多様な症状を呈する。