病気の解説
やけど
別名:ヤケド
緊急性の高い症状
次のような場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。日本熱傷学会は、これらを救急センターでの集中治療が必要になりうる重いやけどとして挙げ、すぐに救急車を呼ぶべきとしています(日本熱傷学会)。
- やけどの範囲が広い(本人の手のひら1枚分が、体の表面のおよそ1%にあたります)
- 皮膚が白っぽい・灰色・茶色っぽいなど、深いやけどが疑われ、しかも範囲がある程度広い
- 顔、手、陰部のまわりのやけど
- 火事や熱い煙・蒸気を吸い込んだなど、のどや気道のやけど(気道熱傷)が疑われる
- 薬品(化学物質)によるやけど、電気(感電)によるやけど
子ども、高齢の方、持病のある方は、成人より狭い範囲でも重くなりやすいため、より早めに救急を考えるべきとされています(日本熱傷学会)。重いやけどはショックを起こし、命にかかわることがあります(MedlinePlus)。
出典:日本熱傷学会「熱傷(やけど)に関する簡単な知識:概略と応急処置」、MedlinePlus「Burns」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 上の「緊急性の高い症状」に当てはまるときは、救急車を呼びます。
- 小さなやけどでも、水ぶくれができた、範囲が手のひらより広い、赤みや痛みがなかなか引かない、といったときは、早めに医療機関(皮膚科、または形成外科)を受診してください。浅いやけどでも手当ての仕方によっては深くなることがあり、自信がなければ早めの外来受診が勧められています(日本熱傷学会)。
- 傷が赤く腫れてくる、膿が出る、熱が出るなど、感染が心配なときも受診してください。やけどは皮膚の守りを壊すため、感染が起きやすくなります(MedlinePlus)。
やけどの深さは見た目だけでは判断が難しく、受傷直後と数日後で変わることもあります。自己判断せず、医療機関で確認してもらうことが大切です。
基本
やけどとは
やけど(医学的には「熱傷」)は、熱、化学物質、電気、日光、放射線などによって、皮膚やその下の組織が傷つくけがです(MedlinePlus)(日本熱傷学会)。熱い煙を吸い込んで気道が傷つくものも、やけどの一種に含まれます(MedlinePlus)。重さは、主に「どのくらい深いか」と「どのくらいの範囲か」、そして「体のどこか」で決まります(日本熱傷学会)。
主な症状
深さによって見た目や経過が変わります(MedlinePlus)(日本熱傷学会)。
- 浅いやけど:皮膚のいちばん外側や、そのすぐ下までの傷です。傷は赤く見え、熱湯によるやけどなどが典型とされます。腫れや水ぶくれができることがあります。
- 深いやけど:皮膚のいちばん深い層や、その下の組織まで傷ついた状態です。傷が白っぽい、灰色、ときに茶色っぽく見え、火による炎のやけどなどで起こりやすいとされます。
治るまでに時間がかかった傷は、縮んで引きつれ(瘢痕拘縮)やケロイドを残すことがあります(日本熱傷学会)。
原因・なりやすい要因
多い原因は、熱い液体や蒸気によるやけど(熱湯など)、火事、燃えやすい液体やガスです(MedlinePlus)。
小さな子どもは皮膚が薄く、大人が気にしないようなことでもやけどをしやすいとされます。家庭では、カップ麺や電気ケトル・ポットを倒してお湯をかぶる、テーブルクロスを引っ張って熱い飲み物をこぼす、ストーブに触れる、加湿器の蒸気に触れる、といった事故が報告されています(日本熱傷学会)。
また、心地よいと感じる程度の温度(40〜50℃くらい)でも、湯たんぽ・電気あんか・電気毛布などに長い時間触れていると「低温やけど」を起こすことがあります。痛みを感じにくく、気づかないうちに深くなりやすいとされます(日本熱傷学会)。
治療
応急処置と治療
まずすること(応急処置)(日本熱傷学会)
- 熱源から離れます。服に火がついたときは、水をかけられなければ地面を転がって火を消します。立ったままでは火が消えにくいとされます。
- できるだけ早く冷やします。狭い範囲なら水道の流水、広い範囲ならシャワーを使います。冷やす時間は意見が分かれますが、一般に5〜30分程度とされています。
- 子どもは、長い時間や広い範囲を冷やすと体温が下がりすぎ、意識がぼんやりしたり不整脈が起きたりすることがあるため注意が必要です。
- 傷は乾かさないようにします。乾燥すると深くなることがあるとされます。
医療機関での治療
- 治療は、やけどの原因・深さ・範囲・部位によって変わります(MedlinePlus)。
- 傷を清潔にし、塗り薬や傷を覆う材料で手当てします。感染の予防や治療に、抗菌薬入りの塗り薬が使われることがあります(MedlinePlus)(日本熱傷学会)。
- 重いやけどでは、点滴による水分や栄養の補給、皮膚移植などが必要になることがあります(MedlinePlus)。ある程度の大きさの深いやけどは、手術の対象になるとされます(日本熱傷学会)。
経過と生活
予防
家庭でできる工夫として、日本熱傷学会は次のような点を挙げています(日本熱傷学会)。
- 味噌汁・スープ・コーヒーなど熱い飲み物は、子どもの手の届かない所に置く。小さい子がいる間はテーブルクロスを控える。
- 電気ケトル・ポットやカップ麺の置き場所に気をつける。ウォーターサーバーの温水の安全ロックを確認する。
- 床置きのストーブやファンヒーターは安全柵で囲む。乳幼児のいる家庭では熱い蒸気が出ないタイプの加湿器を選ぶ。
- 湯たんぽや電気あんかは寝る前に布団を温めるのに使い、寝るときは取り出すか電源を切る。
- ヘアアイロンを放置しない。真夏の屋外の遊具や、止めた直後のバイク・車のマフラーに子どもを近づけない。
電子レンジで温めた水が急に沸騰してやけどをすることにも注意が呼びかけられています(MedlinePlus)。
皮膚科で扱うほかの病気
出典
日本熱傷学会「概略と応急処置」 / 日本熱傷学会「予防・事故情報」 / MedlinePlus「Burns」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。