病気の解説
サイトメガロウイルス肺炎
受診の目安
- 臓器移植を受けた人、抗がん剤治療中の人、HIV感染症のある人、免疫を抑える薬を使っている人などで、発熱・せき・息切れ・胸の痛み・強いだるさが出たとき
- せきや息苦しさが、急に、または日ごとに強くなってきたとき
免疫が弱っている人の肺炎は、健康な人の肺炎より重くなりやすいとされます(MSDマニュアル家庭版)。まずは移植や治療を担当している主治医に連絡し、指示を受けてください。かかりつけがない場合は呼吸器内科や内科が相談先です。肺炎の原因はサイトメガロウイルス以外にも細菌やカビなど多くあり、症状だけでは原因を見分けられません。検査で確かめる必要があります。
基本
サイトメガロウイルス肺炎とは
サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルスの仲間で、多くの人が知らないうちに感染し、そのまま体の中に潜んでいるありふれたウイルスです(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)。健康な人ではほとんど問題になりませんが、免疫の働きが落ちると再び活発になり、肺に炎症を起こすことがあります。これがサイトメガロウイルス肺炎です(MSDマニュアル家庭版)。免疫が弱った人では、肺のほかに目・肝臓・食道・胃腸などにも感染が及ぶことがあります(CDC)。
主な症状
症状はほかの原因による肺炎と似ていて、次のようなものがみられます(MSDマニュアル家庭版)。
- 発熱、寒気
- せき、たん
- 息切れ、息苦しさ
- 胸の痛み
- 強いだるさ
症状は急に出ることも、少しずつ出てくることもあります(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
CMVは、唾液・尿・血液・母乳などの体液を介してうつるほか、輸血や臓器移植によって体に入ることもあります(CDC)。一度感染すると、ウイルスは一生体の中に残ります(MedlinePlus)。
肺炎を起こしやすいのは、次のように免疫が弱っている人です(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。
- 臓器移植を受けた人
- がんの治療(抗がん剤など)を受けている人
- HIV感染症(エイズ)の人
- ステロイドなど、免疫を抑える薬を使っている人
検査と診断
診断
胸部X線検査やCT検査で肺の状態を調べ、血液の酸素の量を測ります。たんを調べたり、必要に応じて気管支鏡という細い管を使って肺の中の検体を採ったりして、原因を探します(MSDマニュアル家庭版)。CMVについては、血液検査で抗体やウイルスの量を調べたり、組織の一部を採って調べたりすることがあります(MSDマニュアル家庭版)。ただし、体からウイルスが見つかっても、それが今の病気の原因とは限らないとされます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
- 抗ウイルス薬:免疫が弱っている人のCMV感染症には、抗ウイルス薬が使われます(MedlinePlus)(CDC)。飲み薬や点滴があり、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネットなどが知られています(MSDマニュアル家庭版)。
- 免疫の状態への対応:免疫を抑える薬を使っている場合、感染が落ち着くまで一時的に減らしたり止めたりすることがあります(MSDマニュアル家庭版)。HIV感染症がある人では、HIVそのものの治療も行われます(MSDマニュアル家庭版)。
これらの抗ウイルス薬はウイルスを体から完全に消すものではなく、病気の進行を抑える目的で使われるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
予防
臓器移植を受けた人などでは、発症を防ぐ目的で抗ウイルス薬が使われることがあります(MSDマニュアル家庭版)。日常生活では、手洗いなどの衛生習慣が感染予防に役立つとされます(MedlinePlus)。小さな子どもの唾液や尿にはウイルスが含まれていることがあるため、食器やコップを共有しない、おむつ替えのあとに石けんで手を洗う、といった工夫が勧められています(CDC)。予防の方法は病状によって異なるため、主治医の指示に従ってください。
経過
免疫が弱っている人のCMV感染症は重くなることがあり、命に関わる場合もあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。免疫が弱った人の肺炎は、一般的な肺炎より亡くなる割合が高いとされています(MSDマニュアル家庭版)。早めに主治医へ相談することが大切です。
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出典
MSDマニュアル家庭版「サイトメガロウイルス(CMV)感染症」 / MSDマニュアル家庭版「免疫機能が低下している人の肺炎」 / MedlinePlus「Cytomegalovirus Infections」 / CDC「About Cytomegalovirus」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。