病気の解説
ネフロン癆
受診の目安
ネフロン癆では、初期には多飲・多尿、尿の濃縮能の低下、成長発育障害などが見られます。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、小児科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
ネフロン癆は、腎臓の髄質に嚢胞が形成され、尿細管と間質の炎症・硬化を伴う進行性の腎疾患です。主に常染色体劣性遺伝をとることが多いとされ、 ESRD(末期腎不全)へ至る時期で3つのサブタイプに分けられます。治療法として特別に有効な方法はなく、 ESRD は避けられない状況にあるとされています。NPHP1をはじめとする複数の責任遺伝子が同定されています。
主な症状
初期には多飲・多尿、尿の濃縮能の低下、成長発育障害などが見られます。尿細管機能異常により低比重尿が出現し、β2-ミクログロブリンなどの低分子蛋白尿が半数以上で認められることがあります。腎機能障害が進むと尿量の減少や高血圧・貧血が現れる場合があります。腎外症状として網膜色素変性症や小脳失調症、肝線維症などが報告されることがあります。
原因
遺伝的な要因が関与しており、主として常染色体劣性遺伝とされます。NPHP1 は若年性ネフロン癆の責任遺伝子で、染色体2q12-13上に存在します。
病態
腎尿細管上皮細胞の一次繊毛やセル signaling の障害が推察され、 nephrocystin-1などの結合蛋白の異常が、細胞間接着・シグナル伝達・細胞極性・繊毛機能の乱れを通じて腎尿細管の構造と機能障害を引き起こすと考えられています。
検査と診断
診断
臨床症状(多飲多尿・尿濃縮能低下・腎機能障害)と腎生検、遺伝子検査を総合して診断します。尿検査では低分子蛋白尿や低比重尿がみられることが多いです。末期腎不全へ至った年齢に応じて遺伝子診断を進めるケースがあるとされています。日本では遺伝子診断の普及度は欧米ほど高くないと説明されています。
治療
治療
現時点では特別有効な治療法はなく、腎尿細管機能障害に伴う電解質異常への食事療法やイオン吸着樹脂、重炭酸塩の投与などを行います。腎機能が低下する場合には末期腎不全に準じた治療が選択されます。出生前診断は現状不可能とされ、遺伝相談が重要とされています。
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出典
参考: ネフロン癆 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。