病気の解説
二次性貧血
受診の目安
- 疲れやすさ、だるさ、顔色の悪さ、動いたときの息切れ、めまいなどが続くとき(NIDDK)
- 持病(腎臓の病気、関節リウマチなどの膠原病、慢性の感染症、がん、炎症性腸疾患など)がある人が、健康診断や血液検査で貧血を指摘されたとき(NIDDK)
- 黒っぽいタール状の便、血尿・血便が出たとき(MSDマニュアル家庭版)
持病で通院している場合は、まず主治医に相談してください。原因がはっきりしないときは、血液の専門医(血液内科)での検査が必要になることがあります(NIDDK)。貧血の症状は多くの原因で起こるため、症状だけで原因を判断することはできません。
胸の痛みが治まらないとき、息が苦しいとき、気を失ったときは、ためらわずに救急車(119)を呼ぶなど、すぐに医療機関を受診してください(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。
基本
二次性貧血とは
血液そのものの病気ではなく、体のほかの場所にある病気が原因となって起こる貧血をまとめた呼び名です。「症候性貧血」とも呼ばれます。代表的なものに、長く続く炎症に伴う貧血(慢性疾患に伴う貧血)や、慢性腎臓病による貧血(腎性貧血)があります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。ゆっくり進むことが多く、軽いうちは気づかれないこともあります(NIDDK)。
主な症状
ゆっくり進むため、症状がほとんどないこともあります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。症状が出る場合は、次のようなものがあります。
- 疲れやすい、体に力が入らない、顔色が青白い(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)
- 少し動いただけで息切れする、動悸がする、めまい(NIDDK)
- 頭痛、集中しにくい、眠りの問題、体の痛み(NIDDK)
高齢の人では、軽い貧血でも、ぼんやりする、元気がない、ふらつく、歩きにくいといった形で現れることがあります(MSDマニュアル家庭版)。もとの病気の症状に隠れて、貧血に気づきにくいこともあります。
原因・なりやすい要因
原因となる病気によって、主に次のようなタイプがあります。
- 慢性の炎症・感染・がんに伴う貧血:関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの自己免疫の病気、結核などの長く続く感染症、がん、炎症性腸疾患のほか、糖尿病や心不全でも起こることがあります(NIDDK)。炎症が続くと、体にたくわえた鉄を赤血球づくりにうまく使えなくなり、骨髄の働きも弱まり、赤血球の寿命も短くなります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。
- 腎臓の病気による貧血(腎性貧血):腎臓は赤血球づくりを促すホルモン(エリスロポエチン)を出しています。腎臓が傷むとこのホルモンが減り、貧血になります。腎臓の病気が進むほど起こりやすく、糖尿病のある人ではより早く・重く出やすいとされます(NIDDK)。
がんの治療(抗がん剤など)や、胃腸の炎症による出血が貧血に加わることもあります(NHLBI)。原因が一つとは限らず、鉄やビタミンの不足が重なっている場合もあります(NIDDK)。
検査と診断
診断
問診・診察と血液検査で調べます。赤血球の数や大きさ、ヘモグロビンの量を測る検査(血算)に加え、血液中の鉄、たくわえられた鉄の量(フェリチン)、ビタミンB12や葉酸などを調べ、貧血の原因を見分けます。炎症に伴う貧血では、血液中の鉄は少ないのに、たくわえられた鉄は保たれているのが特徴とされます(NIDDK)。
治療
治療
- もとの病気の治療:原因となっている病気を治療・コントロールすることが基本で、それによって貧血が良くなることがあります(NIDDK)。軽く症状が少ない場合は、すぐには貧血そのものの治療をしないこともあります(NIDDK)。
- 不足している栄養の補充:鉄、ビタミンB12、葉酸が足りない場合は補います。鉄は飲み薬や点滴で使われます(NIDDK)。
- 赤血球をつくる働きを促す薬:腎性貧血などでは、エリスロポエチンの働きを補う注射薬が使われることがあり、鉄を併用すると効きやすくなるとされます(NIDDK)。
- 輸血:重い貧血のときに、すばやく赤血球を増やす目的で行われることがあります(NIDDK)(MSDマニュアル家庭版)。
日常生活の注意・セルフケア
医療機関の指示を最優先にしてください。もとの病気の治療と定期的な血液検査を続けることが大切です。食事や栄養については、医師や管理栄養士の助言に従うことが勧められています(NIDDK)。自己判断で鉄のサプリメントなどを始める前に、主治医に相談しましょう。
経過と生活
経過
多くは軽いから中くらいの程度にとどまり、ゆっくり経過します(MSDマニュアル家庭版)。経過はもとの病気の状態に大きく左右されます。一方で、重い貧血は命に関わることがあり、慢性腎臓病のある人では心臓の病気のリスクを高めることがあるとされます(NIDDK)。
血液内科で扱うほかの病気
出典
NIDDK「Anemia of Inflammation or Chronic Disease」 / NIDDK「Anemia in Chronic Kidney Disease」 / NHLBI「Anemia: Causes and Risk Factors」 / MSDマニュアル家庭版「貧血の基礎知識」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。