病気の解説

代理によるミュンヒハウゼン症候群

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緊急性の高い状況

この状態では、世話を受けている子どもなどが実際に重い病気になったり、命を落としたりすることがあります(MSDマニュアル家庭版)(Cleveland Clinic)。誰かが今まさに危険な状態にあると感じたら、ためらわずに地域の緊急通報番号(日本では警察110番、救急119番)に連絡することが勧められています(Cleveland Clinic)。

出典:Cleveland Clinic、MSDマニュアル家庭版

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

相談の目安

  • 身近な子どもが、はっきりした診断がつかないまま入院や検査をくり返していて、不自然さを感じるとき
  • 子どもの具合が、病院では良くなるのに家に戻ると悪くなる、といったことがくり返されるとき(Cleveland Clinic)
  • 自分自身が、世話をしている人の症状を大げさに伝えたり、作り出したりしたい気持ちに悩んでいるとき

心配な場合は、まずかかりつけの医師やソーシャルワーカーに相談することが勧められています(Cleveland Clinic)。子どもへの虐待が疑われるときは、児童相談所の全国共通ダイヤル「189」で、お住まいの地域の児童相談所に匿名で通告・相談でき、相談した人の秘密は守られます(新潟県)。世話をしている本人の悩みについては精神科が相談先になります。こうした様子は本物の病気でも起こりうるため、見た目だけで決めつけることはできず、医療者による慎重な確認が必要です(Cleveland Clinic)。

基本

代理によるミュンヒハウゼン症候群とは

親などの養育者が、自分が世話をしている相手(多くは子ども)について、実際にはない病気やけがの症状を偽ったり、わざと作り出したりする心の病気です(MSDマニュアル家庭版)。現在は「他者に負わせる作為症」と呼ばれています(MSDマニュアル家庭版)(Cleveland Clinic)。精神疾患であると同時に、虐待の一つの形とされています(Cleveland Clinic)。

どのようなことが起こるか

被害を受けるのは、幼い子ども、障害のある人、高齢者など、自分で説明したり反論したりしにくい人が多いとされます(Cleveland Clinic)(MSDマニュアル家庭版)。養育者には次のような行動がみられることがあります。

  • 家で熱が出た、吐いたなど、実際にはない症状を医療者に伝える(MSDマニュアル家庭版)
  • 食事を与えない、薬を使うなどして、本当に体調を悪くさせる(Cleveland Clinic)(MSDマニュアル家庭版)
  • 尿などの検査の検体に異物を混ぜて、病気があるように見せかける(MSDマニュアル家庭版)
  • 治療を妨げて、回復しないようにする(Cleveland Clinic)

周囲が気づく手がかりとして、次のような点が挙げられています(Cleveland Clinic)。

  • いくつもの医療機関を受診し、説明される経過が食い違う
  • 以前の記録を見せない、医療者が子どもと二人で話すことを許さない
  • 症状が一つの病気で説明できない、医療者の前では症状が出ない
  • 検体が本人のものと一致しない、または混入の跡がある

養育者は熱心で、子どもを深く心配しているように見えることが多く、そのため気づかれにくいとされます(MSDマニュアル家庭版)(Cleveland Clinic)。

原因・背景

はっきりした原因は分かっていません。過去のトラウマや虐待・ネグレクトの経験、親や養育者を失った経験、強いストレス、周囲から注目されたい気持ちなどが関係する可能性が研究されています(Cleveland Clinic)。お金などの分かりやすい外からの見返りは、通常みられないとされます(MSDマニュアル家庭版)。

検査と診断

診断

うそが絡むため診断は難しいとされます。医療者はまず、子どもの症状を説明できる本当の病気がないかを時間をかけて調べます(Cleveland Clinic)。そのうえで、症状を偽ったり作り出したりしていること、ほかの心の病気では説明できないことなどを確認して判断されます(Cleveland Clinic)。

治療

治療と対応

  • 被害を受けた人:まず安全の確保が最優先で、養育者のもとから離すことがあります。実際に生じたけがや病気の治療に加え、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ、不安などへの心のケアが行われることがあります(Cleveland Clinic)。
  • 養育者:最初の目標は、害を与える行動をやめさせることです。そのうえで背景にある問題に取り組み、認知行動療法などの精神療法が用いられます。治療は長く、何年もかかることがあります(Cleveland Clinic)。
  • 関係機関の連携:医療機関、福祉、児童や高齢者の保護機関、警察などが協力して対応する必要があるとされます(Cleveland Clinic)。

経過と生活

経過

確実な予防法は知られていませんが、早く助けを求めることで被害を小さくできるとされます(Cleveland Clinic)。発見が遅れると虐待が続き、被害者が亡くなることもあります。また、被害を受けた子どもが大人になってから、自分自身に症状を作り出す状態になることがあるとも指摘されています(Cleveland Clinic)。

精神科で扱うほかの病気

出典

Cleveland Clinic「Factitious Disorder Imposed on Another (FDIA)」 / MSDマニュアル家庭版「他者に負わせる作為症」 / 新潟県「児童相談所虐待対応ダイヤル189」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。