病気の解説
薬物依存症
別名:シャブ中、ヤク中、物質依存症、薬物依存
受診・相談の目安
- 薬物(違法な薬物だけでなく、処方薬や市販薬の使いすぎを含む)をやめよう・減らそうと思ってもやめられないとき(厚生労働省)(MedlinePlus)
- 使うことで仕事・学校・家族関係に問題が出ているのに、使い続けてしまうとき(MedlinePlus)
- 家族や身近な人の様子が変わり(交友関係の急な変化、気分の激しい浮き沈み、睡眠や食事の乱れなど)、薬物の使用が心配なとき(MedlinePlus)
相談先は、依存症を扱う精神科などの医療機関のほか、地域の保健所や精神保健福祉センターです。保健所や精神保健福祉センターでは、本人だけでなく家族からの相談も受け付けています(厚生労働省)。依存症対策全国センターの「治療マップ」で専門の医療機関や相談拠点を探すこともできます(厚生労働省)。様子だけで依存症かどうかを判断することはできないため、一人で抱え込まず、まず相談してください。
基本
薬物依存症とは
薬物依存症は、薬物の使用を自分の意思でコントロールできなくなる病気です。意志が弱いから起こるのではなく、脳の働きが変化することで、害があるとわかっていてもやめられなくなります(厚生労働省)(MedlinePlus)。対象には違法な薬物のほか、処方薬を指示と違う量・目的で使うことや、市販薬の使いすぎも含まれます(MedlinePlus)。本人が問題を認めにくい「否認の病気」ともいわれます(厚生労働省)。
主な症状・サイン
- やめようとしても、気づくとまた使ってしまう(厚生労働省)
- 使わないと、薬物の種類に応じたさまざまな離脱症状が出る(MedlinePlus)
- 好きだったことへの興味を失う、身なりに構わなくなる(MedlinePlus)
- 気分の浮き沈みが激しい、話し方や活動量がいつもと違う(MedlinePlus)
- 約束を守れない、仕事・学校・人間関係のトラブルが増える(MedlinePlus)
原因・なりやすい要因
薬物の刺激をくり返すうちに脳がそれに慣れ、より強い刺激を求めるようになることが関係しています(厚生労働省)。
- うつ病・不安症・ADHDなど、治療されていない心の病気(MedlinePlus)
- 家庭や学校・職場になじめない、強いプレッシャーや自信のなさ、孤独(厚生労働省)(MedlinePlus)
- 周りに薬物を使う友人がいる、若いうちに使い始めた(MedlinePlus)
- 薬物への反応のしかたの個人差(MedlinePlus)
治療
治療・回復支援
- 離脱症状への対応:使用をやめたり減らしたりすると離脱症状が出ることがあり、医療機関で症状を和らげる薬を使いながら安全にやめていく方法があります(MedlinePlus)。
- 心理療法・回復プログラム:自分の使用のきっかけに気づき、対処法を身につける治療が行われます(MedlinePlus)。日本では、認知行動療法の考え方にもとづく SMARPP(スマープ)などのプログラムが医療機関や保健行政機関で行われています(厚生労働省)。
- 薬による治療:依存の種類によっては、脳の働きを整え、強い欲求を減らす薬が使われることがあります。薬とカウンセリングを組み合わせることが効果的とされます(MedlinePlus)。
- 入院治療:重い場合は、入院や施設での治療が必要になることがあります(MedlinePlus)。
- 心の病気の治療:うつ病などを合併している場合は、両方をあわせて治療します(MedlinePlus)。
- 自助グループ・回復支援施設:同じ問題を抱える人どうしが体験を分かち合う NA(ナルコティクス・アノニマス)や、回復支援施設のダルク(DARC)などがあります(厚生労働省)。
家族・周りの人へ
本人の治療方針は、医療機関や相談機関の助言を優先してください。
- 家族は本人以上に疲れ果ててしまうことが多いとされます。家族だけで解決しようとせず、保健所や精神保健福祉センターに相談しましょう(厚生労働省)。
- 薬物の問題を抱える人の家族のための自助グループ(ナラノンなど)もあります(厚生労働省)。
- 周りの人が正しい知識を持ち、本人を早めに治療や支援につなぐことが回復への大切な一歩とされています(厚生労働省)。
経過と生活
経過
依存症は再発しやすい病気で、回復の途中でも再び使ってしまう危険が続くとされます(MedlinePlus)。再び使ってしまっても治療をやめず、支援を受け続けることが大切です。
精神科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
厚生労働省「依存症対策」 / MedlinePlus「Drug Use and Addiction」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。