病気の解説
子宮脱
別名:子宮下垂
受診の目安
- 腟の入り口に何かが下りてくる、はさまっている感じがする、ふくらみが見える・触れるとき
- 下腹部や腟に重い感じ・引っぱられる感じがあり、立っている時間が長い日や夕方に強くなるとき
- 尿が出にくい、出しきれない感じがする、尿もれや頻尿があるとき
- 便秘や便・ガスのもれなど、排便の困りごとがあるとき
相談先は婦人科(泌尿器科で扱う医療機関もあります)です。同じような症状は膀胱や直腸が下がる場合にも起こるため、症状だけでどの臓器が下がっているのか、病名を判断することはできません(米国保健福祉省 女性の健康局)。恥ずかしさから相談をためらう人も多いものの、治療できる病気とされています(米国保健福祉省 女性の健康局)。
基本
子宮脱とは
骨盤の底には、子宮や膀胱、腸などをハンモックのように下から支える筋肉や組織(骨盤底)があります(MedlinePlus)。この支えが弱ったり傷んだりして、子宮が腟の中へ下がってきたり、腟の外まで出てきたりする状態が子宮脱です(米国保健福祉省 女性の健康局)。骨盤の臓器が下がる「骨盤臓器脱」の一つで、小腸の一部が腟側にふくらむ状態を伴うこともあります(米国保健福祉省 女性の健康局)。
主な症状
- 腟のあたりのふくらみや、何かが出てくる感覚(MedlinePlus)(米国保健福祉省 女性の健康局)
- 骨盤や腟の重い感じ・圧迫感・鈍い痛み。立っている、せきをする、一日の終わりになるといった場面で強まりやすいとされます(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
- 尿が出始めにくい、出しきれない、尿もれ、急な尿意や頻尿、膀胱炎をくり返す(MedlinePlus)
- 便秘や便・ガスのもれ(MedlinePlus)
- タンポンが入れにくい、運動や性交時の不快感(米国保健福祉省 女性の健康局)
原因・なりやすい要因
- 妊娠・出産:主な原因とされ、とくに経腟分娩の回数が多いと起こりやすくなります。ただし、出産経験のない人や帝王切開で出産した人にも起こることがあります(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
- 加齢と閉経:年齢を重ねることや、閉経にともなう女性ホルモンの減少が関わると考えられています(米国保健福祉省 女性の健康局)。
- お腹に長く圧がかかる状態:肥満、慢性的なせき、排便時の強いいきみなど(米国保健福祉省 女性の健康局)
- そのほか:骨盤の手術や放射線治療(MedlinePlus)、家族歴(研究段階)(米国保健福祉省 女性の健康局)
検査と診断
診断
症状を聞いたうえで内診を行い、どの臓器がどの程度下がっているかを調べます。診察中にいきんだりせきをしたりして、下がり方や尿もれを確認することがあります。膀胱の尿をきちんと出しきれているかを調べる検査が行われることもあります(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
治療
治療
治療は、下がり方の程度や症状、年齢、ほかの持病、性生活の有無などを考えて選ばれます(米国保健福祉省 女性の健康局)。
- ペッサリー:腟に入れて臓器を下から支える、取り外しのできる器具です。最初に試されることの多い方法とされます(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
- 骨盤底筋の体操:骨盤の底の筋肉をきたえる運動で、理学療法士などの指導のもとで行うこともあります(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
- 手術:自分の組織などを使って子宮や腟を支え直す手術や、今後腟での性交を予定しない人に対して腟を閉じる手術などがあります(米国保健福祉省 女性の健康局)。
- そのほか:便秘がある場合は食物繊維を増やしていきみを減らすなどの工夫が勧められます(米国保健福祉省 女性の健康局)。薬が使われることもあります(MedlinePlus)。
日常生活の注意・予防
治療中は医療機関の指示を優先してください。予防法はまだ研究段階ですが、次のことでなりにくくなる可能性があるとされています(米国保健福祉省 女性の健康局)。
- 適正な体重を保つ
- 食物繊維の多い食事で便秘を防ぎ、強いいきみを避ける
- たばこを吸わない(慢性的なせきが骨盤底に負担をかけるため)
産婦人科で扱うほかの病気
出典
米国保健福祉省 女性の健康局「Pelvic Organ Prolapse」 / MedlinePlus「Pelvic Support Problems」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。