病気の解説
過強陣痛
緊急性の高い症状
- お腹の痛みが急に強くなる、お腹が張ったまま戻らない
- 出血が続く・多い
- 胎動が減った・感じない
分娩中は直ちにスタッフへ、自宅ではすぐに産婦人科へ連絡してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
過強陣痛は、多くの場合、分娩中に医療機関で分娩監視装置により子宮の収縮や赤ちゃんの心拍を確認しながら判断されます。陣痛促進剤を使っているかどうかにかかわらず、分娩中に次のような変化を少しでも感じたら、すぐに医師・助産師・看護師に知らせてください。
- 陣痛がとても強い、長く続く、間隔が短くて休めない
- お腹の痛みが急に強くなる、お腹が張ったままゆるまない
- 出血が続く・多い
- 赤ちゃんの動きが少ない、感じられない
入院前の妊娠中の方は、お腹の痛みが治まらない・急に強くなる、おりもの程度を超える出血、水っぽいものが流れ出る、胎動が減ったときは、すぐにかかっている産婦人科に連絡してください。症状だけで原因は判断できません。
出典:PMDA掲載の説明用資材「出産されるお母さん、ご家族の方へ」、CDC(米国疾病予防管理センター)
基本
概要
過強陣痛とは、陣痛の強さや間隔が正常とは異なる状態を指します。具体的には、陣痛の間隔が短くなりすぎたり、1回の陣痛の継続時間が長くなったりして、子宮の収縮が過度に強くなることを言います。お産の進み具合に応じた基準より収縮が強くなる場合や、十分間に5回を超える陣痛がある場合が過強陣痛とされます。母体の痛みが強くなり、赤ちゃんへの負担につながる可能性があるため、早期発見と適切な対応が重要です。
主な症状
初期の特徴は陣痛の間隔や強さの変化として現れます。通常の陣痛の間隔は2~3分とされますが、過強陣痛では間隔が1分30秒以内、さらに進むと1分以内になることがあります。1回の陣痛の持続時間は通常60~70秒程度ですが、2分以上続くこともあります。お母さんは通常より強い痛みを感じ、陣痛と陣痛の間の休息が十分とれないと感じることがあります。痩せ型の方ではお腹に帯状のくびれが見えることがあり、30分程度の観察で平均して10分間に5回を超える収縮が見られることもあります。
リスク因子
過強陣痛の原因として、母体の骨盤が小さいことや胎児の大きさと骨盤の大きさの不適合、陣痛促進薬の過剰投与、胎盤が早く剥がれる常位胎盤早期剥離、胎位・胎勢の異常などが挙げられます。これらの要因は単独で起こることも、複数が重なることもあります。
検査と診断
診断
診断は分娩監視装置(CTG)による記録と医療者の診察を組み合わせて行います。分娩監視装置で陣痛の頻度・強さと赤ちゃんの心拍数の変化を記録し、30分以上の観察で10分間に平均して5回を超える収縮があるかを判断します。実際の腹部の触診や赤ちゃんの心拍数の変化も診断の要素です。赤ちゃんの心拍数が低下するなどの変化が長く続く場合は特に注意して観察します。
治療
治療
原因に応じて対応します。陣痛促進剤の投与を止め、母親の体の向きを変えたり酸素を吸入したりして赤ちゃんの状態を整えます。状況が改善しなければ子宮の収縮を抑える薬を用い、薬の種類や持続時間は状況により選択します。胎盤の早期剥離が疑われたり薬が効果的でない場合には帝王切開が検討されることがあります。赤ちゃんの心拍数に大きな変化がある場合は緊急対応となることがあります。
経過と生活
予防
陣痛を促進する薬を使用する場合は、子宮口の柔らかさや開き具合を慎重に確認します。子宮口が固い場合は柔らかくする処置を行い、陣痛促進剤は少量から始めて決められた間隔を守りながら慎重に増やします。分娩監視装置で陣痛と赤ちゃんの心拍数を継続的に観察し、陣痛の間隔が短くなりすぎていないか、赤ちゃんの心拍に異常がないかを確認します。
経過・予後
出産に関わる重要な状態であり、早期発見と適切な対応が赤ちゃんと母体の安全確保につながります。適切な処置が行われれば状況が安定する場合がありますが、状況により帝王切開などの緊急対応が必要になることもあります。
産婦人科で扱うほかの病気
出典
参考: 「過強陣痛」の原因・症状をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説 | メディカルドック(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:PMDA掲載 陣痛誘発・促進剤 適正使用のお願い(説明用資材「出産されるお母さん、ご家族の方へ」収載) / CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。