病気の解説
新生児肝炎
受診の目安
生まれてすぐの赤ちゃんの黄疸(皮膚や白目が黄色い)は多くが生理的なもので、ふつう1〜2週間ほどで薄くなります(母乳の場合はもう少し長く続くこともあります)。
- 黄疸が長引く、一度消えたのにまた出てきた、だんだん強くなる、皮膚がくすんだ黄色になるときは、小児科を受診してください。
- うんちの色が薄いクリーム色・白っぽい・灰色っぽい、おしっこの色が濃いときは、すぐに小児科を受診してください。母子健康手帳の便色カードの1〜3番に近い色は特に注意が必要です。
- 受診するときは、うんちのついたおむつを持っていくと、医師が色を確認できます。
- うんちの色は生後2週、1か月健診の前、生後1〜4か月の時期に便色カードで見比べてください。
黄疸や白っぽいうんちは、早い手術が必要な胆道閉鎖症など別の病気でもみられ、症状だけで病名は判断できません。赤ちゃんの機嫌や体重の増えがよくても、色の変化があれば受診してください。
出典:札幌市衛生研究所、米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)
基本
概要
新生児肝炎は、生後2か月以内に発症する肝炎です。発症の正確なメカニズムは解明されていません。多くは生後半年から1歳ごろまでには自然と回復しますが、重症になると肝硬変や肝機能の大幅な低下を伴い命に関わることもあります。黄疸が続く場合はできるだけ早く医療機関を受診してください。
主な症状
新生児肝炎を発症すると多くは黄疸が継続します。黄疸は血液中のビリルビンが増えるため皮膚が黄色くなる症状です。肝機能が低下するとビリルビンの代謝がうまく進まず、血液や肝臓に蓄積します。黄疸のほか白い便や肝臓の腫れ、脂肪の吸収低下による出血傾向や体重増加不良がみられることがあります。多くは生後半年ごろには自然に回復しますが、急激に重症化して肝硬変や肝不全に至るケースもあるため注意が必要です。
病態
新生児肝炎は生後早期のウイルス感染により肝臓の細胞がダメージを受けることで発症します。原因の約20%は特定され、サイトメガロウイルス、風疹ウイルス、A型・B型肝炎ウイルスなどが含まれます。残りの約80%は特定できないものの、ウイルス感染が関係していると考えられています。ビリルビンの代謝がうまく進まないため、血液中のビリルビン濃度が上昇します。
リスク因子
本文にはリスク要因の具体的な列挙はありません。新生児肝炎は生後早期のウイルス感染が主な原因とされています。
検査と診断
検査
診断には肝機能の検査(AST・ALTなどの肝酵素、直接・間接ビリルビン、γ-GTP・LAPなどの胆汁うっ滞指標、PT・APTTなどの血液凝固検査)や血液検査が行われます。原因を調べるための各種ウイルス検査も行われることがあります。代謝性疾患や内分泌疾患の鑑別のために尿検査を追加することもあります。
治療
治療
新生児肝炎は、原因となるウイルスの治療を除けば根本治療は確立されていません。そのため、症状を和らげる対症療法が中心です。黄疸がある場合は胆汁排泄を促す薬、肝機能低下がある場合は肝細胞を保護する薬を使うことがあります。脂肪の吸収低下がある場合には脂溶性ビタミン(例としてビタミンKなど)を注射や大量内服で投与します。重症の黄疸などにはステロイドの投与が行われることもありますが、副作用のリスクがあるため医師と相談のうえで判断します。多くは1歳頃までに自然に治るケースが多いとされています。肝硬変を発症した場合には肝移植が必要になることがあります。
経過と生活
経過・予後
多くは生後半年ごろには自然に回復しますが、肝機能低下が急激に進行して肝硬変や肝不全に至るケースがあります。肝硬変を発症した乳児は肝移植が必要になることもあるとされています。
小児科で扱うほかの病気
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:札幌市衛生研究所 便色カードの使用方法と発見できる疾患について / NIDDK: Symptoms & Causes of Biliary Atresia(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。