病気の解説
気管支拡張症
受診の目安
気管支拡張症では、多くの人で、長く続くせきと伴に濃い粘液が出ます。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、呼吸器内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
気管支拡張症は、気道の壁が傷んで広がり、気道の分泌物がたまりやすくなる病気です。症状には、長く続くせきや濃い粘液、時に喀血がみられることがあります。重症化すると息切れや疲れやすさが増し、肺や心臓に負担がかかることがあります。
主な症状
多くの人で、長く続くせきと伴に濃い粘液が出ます。喀血が起きることもあり、早朝や夕方に発作的にせきが強くなることがあります。発熱や胸痛が繰り返されることもあり、広い範囲にわたると喘鳴や息切れが現れることもあります。病気が進んで肺性心や慢性呼吸不全に至ると疲れや嗜眠、運動時の呼吸苦が増えることがあります。体重が減ることもあります。増悪時には肺炎を伴うこともあります。
原因
この病気の主な原因には、重度または繰り返す呼吸器感染症や、遺伝性疾患・免疫異常・自己免疫疾患などの全身的な病気、異物・気道閉塞・肺腫瘍・肺手術後の変化などの局所的な要因、粘液の栓や有害物質の吸入、肺の損傷などがあります。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、喘息や嚢胞性線維症の患者に多くみられ、気道を塞ぐ粘液の栓を作ることがあります。COPDや喘息を合併することもあります。
病態
病気の進行により、気道の壁が弱くなり血管が増えることで、せきとともに出血しやすくなります。広範囲にわたると呼吸が妨げられ、酸素が不足し二酸化炭素が蓄積する状態になることがあります。
検査と診断
診断
診断には胸部X線検査やCT検査、肺機能検査が用いられます。X線で異常が見つかることもあれば、正常なこともあります。CTは病気の範囲や重症度・診断の確定に役立ちます。肺機能検査は重症度の評価や経過観察に活用され、診断そのものには用いられません。必要に応じて原因となる病気を探る検査も行われます。
治療
治療
治療の目的は、感染を減らす、粘液の蓄積を減らす、気道の閉塞を緩和することです。ワクチン接種や抗菌薬、胸部理学療法による痰の排出促進、粘液を薄くする吸入薬、気管支拡張薬、場合によっては抗菌薬の追加投与、必要時の酸素療法などが挙げられます。増悪時には胸部理学療法と抗菌薬が使われることがあります。重症例では一部の肺の外科的切除が検討されることもあります。
経過と生活
予防
発症を防いだり重症化を防いだりするためには、感染症の予防が重要です。ワクチン接種(肺炎球菌、インフルエンザ、COVID-19など)や、早期の抗菌薬治療、適切な栄養・生活環境の改善が推奨されています。免疫グロブリン製剤、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の治療、アルファ1-アンチトリプシン欠乏の治療など、特定の病状に対する治療が適用されることがあります。
気管支拡張症と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
呼吸器内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。