病気の解説

聴神経腫瘍

まず相談する診療科がん治療科(腫瘍内科・外科)
関係する症状耳鳴り聞こえにくい・難聴
この解説の項目6項目

受診の目安

  • 片方の耳だけ聞こえにくい、または左右で聞こえ方に差があるとき
  • 片方の耳鳴りが続くとき
  • ふらつきやめまいが続くとき
  • 顔の片側がしびれる、動かしにくいと感じるとき

最初の相談先は耳鼻咽喉科で、必要に応じて脳神経外科などと連携します。初期の症状はほかの多くの耳の病気と似ていて、症状だけで病名を判断することはできません。とくに症状が片側だけ、または左右で違うことが重要な手がかりとされています(NIDCD)(MedlinePlus)。

基本

聴神経腫瘍とは

耳の奥から脳へ「音」と「体のバランス」の情報を伝える神経にできる、がんではない(良性の)腫瘍です。神経を包んでいるシュワン細胞が増えすぎてできるもので、前庭神経鞘腫とも呼ばれます(NIDCD)(MedlinePlus)。多くはゆっくり大きくなります(MedlinePlus)。良性でも、大きくなって脳を圧迫すると命に関わることがあるため、早めに見つけることが大切だとされます(NIDCD)。

主な症状

小さいうちは症状がない、またはごく軽いこともあります(MedlinePlus)。

  • 早い時期:片側の難聴、耳鳴り、めまい・ふらつき(NIDCD)
  • 腫瘍が大きくなると:近くを通る神経が押されて、顔のしびれや、顔の片側の動きが悪くなる(顔面まひ)ことがあります(NIDCD)(MedlinePlus)。
  • さらに大きくなると:脳幹や小脳を圧迫し、命に関わる状態になることがあります(NIDCD)。

原因・なりやすい要因

片側だけにできるものの多くは、遺伝とは関係なく起こります。シュワン細胞の増え方を調整している遺伝子の働きが失われることが関わっていると考えられています(NIDCD)。

両方の耳の神経にできる場合は、神経線維腫症2型という遺伝性の病気が原因であることが多いとされます(NIDCD)(MedlinePlus)。この病気では、脳や脊髄など別の場所にも腫瘍ができることがあります(NIDCD)。

検査と診断

診断

耳の診察に加えて、聴力検査や平衡機能(バランス)の検査、音に対する脳の反応を調べる検査などを行います(NIDCD)。腫瘍の有無・場所・大きさを確かめるには頭部のMRIが重要で、CTが使われることもあります(NIDCD)(MedlinePlus)。症状が中耳の病気と似ているため、診断が難しい場合があるとされます(MedlinePlus)。

治療

治療

腫瘍の大きさ、聞こえの状態、年齢や体の状態などをふまえて方針を決めます(NIDCD)。

  • 経過観察:小さく、大きくなっていない腫瘍では、定期的にMRIで変化を見守ることがあります(NIDCD)(MedlinePlus)。
  • 手術:腫瘍を取り除きます。小さいうちに取れば聞こえを残せる場合がある一方、聞こえ・バランス・顔の動きに関わる神経のそばを扱うため、症状が悪くなることもあるとされます(NIDCD)。
  • 放射線治療:ガンマナイフなど、ねらった部分に放射線を集中させて、腫瘍を小さくしたり大きくなるのを抑えたりします。高齢の方、体の状態から手術が難しい方、両側に腫瘍がある方などで選ばれることがあります(NIDCD)(MedlinePlus)。

聴神経腫瘍と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

がん治療科(腫瘍内科・外科)で扱うほかの病気

出典

NIDCD「Vestibular Schwannoma (Acoustic Neuroma) and Neurofibromatosis」 / MedlinePlus「Acoustic Neuroma」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。