病気の解説

胸膜腫瘍

まず相談する診療科呼吸器内科
この解説の項目10項目

受診の目安

胸膜腫瘍では、胸の痛みや呼吸困難、息切れ、咳などの症状が現れることがあります。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、呼吸器内科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。

基本

概要

胸膜腫瘍には、胸膜の細胞からできる悪性の胸膜腫瘍(胸膜中皮腫)が代表的です。胸膜は肺の表面を包み、胸の内側と壁側を構成する薄い膜です。胸膜プラークは胸膜が厚くなる状態で、がんとは別の問題です。いずれも胸膜の病気という点が共通しています。

主な症状

胸膜腫瘍では、胸の痛みや呼吸困難、息切れ、咳などの症状が現れることがあります。これらは胸水がためることによる症状と考えられ、進むと倦怠感や体重減少、発熱などの症状が出ることもあります。

原因

胸膜中皮腫は胸膜の中皮細胞にがんが発生する病気です。アスベストの曝露と関連があると記されていますが、出典には日常的な曝露の可能性にも触れられています。

病態

がんは胸膜の壁側胸膜および臓側胸膜に広がり、胸膜の間に水(胸水)が貯まることが多く、これが肺や心臓を圧迫します。がんが肺の内部へ進展したり、他の臓器へ転移することもあります。

リスク因子

胸膜中皮腫はアスベストの曝露と関連があるとされ、職業曝露だけでなく周辺環境からの曝露も関係することがあります。アスベストの曝露は長い潜伏期間で発症することがあると記載されています。

検査と診断

診断

胸水がある場合は胸水を採取してがん細胞の有無を調べます。がん細胞が見つかれば悪性胸膜腫瘍の診断につながります。必要に応じて胸水だけでなく組織を採取する検査(太い針・胸腔鏡を用いる手術)が行われ、全身へ広がっていないかを調べるためにPET/CT検査や全身造影CT検査が行われることもあります。

治療

治療

治療は病気の進行度などにより異なります。片方の胸だけに限局していれば手術が選択されることがあり、化学療法や放射線治療を前後に行うこともあります。胸水の貯留を防ぐための胸膜癒着術も行われることがあります。治療には従来の薬剤のほか、免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせも用いられることがあります。緩和ケアを併用することもあります。

経過と生活

生活上の注意

日常生活や食事、仕事などに特に制限はない場合が多いですが、体力が低下しているときは主治医と相談します。民間療法やサプリメントの広告には注意が必要で、試す前に医療専門家に相談します。

経過・予後

手術で病気を取り除くことを目指しますが、必ず治癒するとは限らず再発の可能性もあります。化学療法のみや緩和ケアのみの場合は治癒を期待することは難しいですが、生存期間の延長や症状の緩和には役立つことがあります。

呼吸器内科で扱うほかの病気

出典

参考: 日本呼吸器学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。