病気の解説

脂肪異栄養症(脂肪萎縮症)

まず相談する診療科小児科
この解説の項目7項目

受診の目安

脂肪異栄養症(脂肪萎縮症)では、糖尿病や脂質異常症などの代謝異常が顕著です。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、小児科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。

基本

概要

脂肪萎縮症は、皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織が減少または消失する病気の総称です。エネルギーの摂取不足や過剰なエネルギー消費によるやせとは異なります。先天性(遺伝性)と後天性(自己免疫異常などが原因)のものがあり、全身性と部分性に分類されます。脂肪組織が減少すると糖や脂質の代謝異常が起こり、予後に影響します。

主な症状

先天性全身性脂肪萎縮症では出生時から全身の脂肪が減少し筋肉質な外見、皮膚の色素沈着、臍ヘルニア、心筋の肥大、女性では生殖系の症状がみられることがあります。糖尿病や脂質異常症などの代謝異常が顕著です。家族性部分性脂肪萎縮症では四肢の脂肪が減少し頭頸部に脂肪が蓄積することがあります。後天性の場合は自己免疫異常が関与することが多く、発育や症状の特徴は個人差があります。

原因

先天性全身性脂肪萎縮症の原因遺伝子として BSCL2、 AGPAT2、 CAV1、 PTRF が同定されています。わが国では BSCL2 の変異が多く報告されています。家族性部分性脂肪萎縮症の原因遺伝子には LMNA や PPARG などが知られています。後天性脂肪萎縮症は自己免疫異常やウイルス感染、薬剤などが関与することが多いと考えられています。

検査と診断

検査

診察や画像検査で脂肪組織の減少や萎縮を確認します。遺伝性が疑われる場合は遺伝子診断を行い、原因遺伝子の異常が確定診断となります。後天性の場合は原因となる自己免疫異常や病歴を把握します。

治療

治療

現時点で脂肪萎縮そのものに確立した治療法はないため、糖尿病や高中性脂肪血症などの代謝合併症の治療が中心です。食事・運動を基本とし、必要に応じて薬物療法を行います。レプチン製剤のメトレレプチンを皮下投与するレプチン補充療法が報告され、糖脂質代謝異常の改善が期待されます。

経過と生活

経過・予後

脂肪萎縮症の合併症として糖尿病や脂肪肝から肝硬変・肝癌、肥大型心筋症などが死因となることがあります。レプチン補充療法の使用により代謝異常の改善が期待され、予後の改善が報告されることもあります。

小児科で扱うほかの病気

出典

参考: 難病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。