病気の解説
血管輪
受診の目安
血管輪では、多くは生後数ヶ月から症状が現れ、気管圧迫として慢性の咳嗽や喘鳴、重症化すると呼吸困難やチアノーゼが生じることがあります。症状が強い・急に悪化する・なかなか治らないときは、早めに小児科を受診してください。気になるときは放置せず相談してください。
基本
概要
血管輪は、両側の第4鰓弓動脈の遺残が原因で大動脈の周囲に輪のような形を作る状態です。輪が小さいと気管や食道を強く押し、輪が大きいか完全に閉じていないと圧迫は軽くなることがあります。主な病型には右鎖骨下動脈起始異常、右側大動脈弓+左側動脈管、右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常、左総頸動脈起始異常、無名動脈による圧迫などがあります。臨床としては気管・食道への圧迫の程度により症状が出ます。先天性心疾患に合併することは稀で、Fallot四徴症などの合併がみられることもあります。診断には画像検査が有用で、症状が重い場合は早期の外科的治療が検討されます。
主な症状
気管・食道への圧迫の程度で症状が変わります。多くは生後数ヶ月から症状が現れ、気管圧迫として慢性の咳嗽や喘鳴、重症化すると呼吸困難やチアノーゼが生じることがあります。首を前へ曲げると呼吸器症状が悪化し、伸ばすと軽快することがあります。食道圧迫としては嚥下障害・頻回の嘔吐・体重増加不良などが挙げられます。心音は合併する心奇形がなければ正常で、吸気時にwheezesを聴くこともあります。
検査と診断
診断
理学的所見には特異な診断所見はなく、心電図や聴診だけで確定は難しいことがあります。肺の聴診で吸気時に喘鳴を聴取することがある場合があります。画像診断が有用で、MD-CTやMRI、大動脈造影検査で血管輪の形態や気管・食道との関係、圧迫の診断が可能です。MRIは深睡眠が必要な場合があり、新生児・乳児期には十分な監視が必要です。心エコー・ドップラー検査では血管輪の証明が難しいことがありますが、心内奇形を合併している場合には診断が可能です。胸部X線は頸部異常血管の診断には限界があります。
治療
治療
新生児・乳児早期から呼吸器・消化器症状が認められる場合には早期に血管輪を解除する外科的治療が必要です。圧迫が軽度の場合は経過観察し、乳児期後期や幼児期に解除術を行う場合もあります。解除術後に症状が改善しない場合には気管支・食道の再建術やステント留置などを検討することがありますが、効果には意見が分かれます。
経過と生活
経過・予後
外科的治療により気管・食道圧迫が消失する場合は予後は良好とされます。ただし解除術後も改善しない場合は予後が不良となることがあります。
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出典
参考: 77及び78に掲げるもののほか、血管輪 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。