病気の解説
脳動脈瘤
別名:外傷性脳動脈瘤
緊急性の高い症状
破裂するとくも膜下出血を起こします。次のようなときは、すぐに119番通報してください。
- 突然の激しい頭痛
- 頭痛とともに吐き気・嘔吐、首の硬さがある
- 意識がない、またはもうろうとしている
- ろれつが回らない、顔の片側が動きにくい、片方の手足に力が入らない、周りが二重に見えるなど脳卒中を思わせる症状
出典:MedlinePlus(米国国立医学図書館)、総務省消防庁
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
脳動脈瘤は脳の血管の壁にできるこぶで、多くは破裂したり大きくなったりするまで症状がありません。
- まぶたが下がる、物が二重に見える・見え方が変わる、目の奥や上の痛み、片方の瞳が大きい、顔や体の片側のしびれ・力の入りにくさなどがあるときは、こぶが神経を圧迫している可能性があり、早めに医療機関(脳神経外科・脳神経内科など)を受診してください。
- 健診などで破裂していない脳動脈瘤が見つかった方は、治療や経過観察について脳神経外科で相談してください。
頭痛やしびれはほかの病気でも起こり、症状だけで病名は判断できません。
出典:MedlinePlus(米国国立医学図書館)、総務省消防庁
基本
概要
脳動脈瘤は、脳の動脈の壁が弱くなることや血流の影響で生じる袋のようなふくらみです。出生時からの脆弱性や動脈硬化、感染が原因になることがあります。遺伝性の病気や近い親族に動脈瘤がある人、高血圧、喫煙、物質の使用などが発生リスクとして挙げられます。
主な症状
大きくなるか破裂するまで症状は出ないことが多いです。破裂していない動脈瘤は、脳の一部を圧迫して頭痛を起こすことがあります。頭痛が脈拍に合わせて拍動することもあります。時に瞳が開きにくくなる、脳卒中の症状、発熱や体重減少などがみられることもあります。破裂するとくも膜下出血による強い頭痛が突然起こり、吐き気、嘔吐、頸部硬直、光への過敏性、意識の変化、けいれんなどが現れることがあります。出血がひどいと昏睡や命に関わることもあります。
リスク因子
遺伝性の結合組織疾患や近親者に動脈瘤があること、高血圧、喫煙、物質使用症などが発生リスクとして挙げられています。
検査と診断
診断
診断にはCT血管造影検査やMRアンギオグラフィー検査が用いられます。動脈瘤は小さいことが多く、他の理由で画像検査を受けた際に偶然見つかることもあります。最も正確とされる方法はデジタルサブトラクション血管造影検査です。感染性の動脈瘤が疑われる場合は血液培養を行います。小さな感染性動脈瘤にはデジタルサブトラクション血管造影検査がゴールドスタンダードとされます。
治療
治療
破裂していない小さな動脈瘤は経過観察として画像検査を定期的に行います。破裂していない大きな動脈瘤は、修復を目指して手術やカテーテル治療が選択されます。治療には動脈瘤の種類・大きさ・部位、破裂リスク、年齢・健康状態、家族歴、治療のリスクなどを考慮して決定します。動脈硬化の危険因子の管理、特に禁煙と降圧の適切な管理が重要です。大きい動脈瘤や症状を伴う場合には外科的修復が行われることがあります。代表的な血管内手術には血管内コイル塞栓術や血管内ステント留置があります。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:MedlinePlus: Brain Aneurysm / 総務省消防庁:救急車利用マニュアル(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。