病気の解説

血栓性静脈炎

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緊急性の高い症状

血のかたまり(血栓)が足などの深い静脈にもできていると、それが流れて肺の血管に詰まる「肺塞栓症」を起こすことがあり、命に関わります(NHLBI)(MSDマニュアル)。次のような症状があるときは、すぐに119番に連絡するか、救急の医療機関を受診してください。

  • 急な息苦しさ、息を吸うときの胸の痛み(NHLBI)(MSDマニュアル)
  • 気を失う(失神)(MSDマニュアル)

出典:NHLBI「Venous Thromboembolism – Symptoms」、MSDマニュアル家庭版「深部静脈血栓症」

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 腕や脚の皮膚の下の静脈に沿って、赤み、熱っぽさ、押したときの痛みが出て、静脈がひものように硬く触れるとき(MSDマニュアル)
  • ふくらはぎや太もも、腕全体がむくむ、痛む、熱をもつとき。深い静脈に血栓ができている可能性があります(MedlinePlus)(MSDマニュアル)
  • 点滴の針を刺していた場所の静脈が赤く腫れて痛むとき(MSDマニュアル)
  • 何度もくり返す、場所を変えて次々に起こるとき(MSDマニュアル)

相談先は、血管外科や循環器内科、または皮膚科や内科です。皮膚の赤みや腫れは、皮膚の細菌感染など他の病気でも起こるため、見た目や症状だけで病名を判断することはできません。

基本

血栓性静脈炎とは

静脈の中に血のかたまり(血栓)ができ、その静脈に炎症が起こる状態です(MedlinePlus)(MSDマニュアル)。とくに皮膚のすぐ下を通る浅い静脈(表在静脈)に起こるものは「表在性血栓性静脈炎」(表在静脈血栓症)と呼ばれ、主に脚や腕にみられます(MSDマニュアル)。一方、筋肉の奥を通る深い静脈に血栓ができるものは「深部静脈血栓症」と呼ばれ、肺塞栓症につながるおそれがあるため、区別して考えられます(MSDマニュアル)(NHLBI)。

主な症状

  • 静脈に沿った急な痛みと腫れ(MSDマニュアル)
  • その部分の皮膚の赤み(肌の色によっては紫っぽく見えたり、わかりにくかったりします)、熱っぽさ、強い押し痛み(MSDマニュアル)(MedlinePlus)
  • 静脈が皮膚の下で硬いひものように触れる(MSDマニュアル)

深い静脈にも血栓があると、ふくらはぎ・足首・太もも、または腕のむくみや痛みが出ることがありますが、症状がまったく出ないこともあります(MSDマニュアル)(NHLBI)。

原因・なりやすい要因

  • 脚:静脈瘤(静脈がふくらんで浮き出た状態)がもとになることが多く、軽いけがが引き金になることもあります。ただし、静脈瘤がある人の多くは血栓性静脈炎にはなりません(MSDマニュアル)。
  • 腕:点滴の針や管を静脈に入れたことがきっかけになることが多いとされます(MSDマニュアル)。
  • 血栓ができやすくなる要因:長時間同じ姿勢で座っていること、一部の薬、血液が固まりやすくなる体質や病気などが挙げられます(MedlinePlus)。がん、妊娠・出産後、エストロゲンを含む薬、喫煙、手術後、長く寝たきりでいることなども、静脈に血栓ができやすくなる要因とされます(MSDマニュアル)。

正常な静脈に、場所を変えながらくり返し起こる場合は、体の中のがんなど別の病気が隠れていることがあるとされます(MSDマニュアル)。

検査と診断

診断

浅い静脈の血栓性静脈炎は、多くの場合、見た目と診察で判断され、検査は必要ないことが多いとされます(MSDマニュアル)。ただし、静脈瘤のない場所、とくに膝より上に急に起こった場合などは、深い静脈に血栓がないかを確かめるため、超音波検査が行われることがあります(MSDマニュアル)。深部静脈血栓症が疑われる場合は、超音波検査や血液検査(Dダイマー)などで調べます(MSDマニュアル)。

治療

治療

  • 浅い静脈の場合:多くは自然に治まります。温める、痛み止め(解熱鎮痛薬・消炎鎮痛薬)を使うといった方法で痛みを和らげます(MSDマニュアル)(MedlinePlus)。患部を高くしておくことも勧められています(MedlinePlus)。
  • 血栓が広い範囲に及ぶ場合:血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)が使われることがあります(MSDマニュアル)。
  • 深い静脈に血栓がある場合:抗凝固薬による治療が中心になります(MSDマニュアル)。

どの治療を行うかは、血栓の場所や広がりを確かめたうえで医師が判断します。

経過と生活

予防

医療機関の指示がある場合はそれを優先してください。車や飛行機での長い移動では、ときどき休憩して歩いたり脚を伸ばしたりし、水分を十分にとり、長時間じっと座り続けないことが勧められています(MedlinePlus)。座ったままでも足首を動かす運動をすることが役立つとされます(MSDマニュアル)。

経過

浅い静脈の血栓性静脈炎では、炎症は数日で落ち着くことが多い一方、腫れや押し痛みが完全に引くまでには数週間かかることがあります(MSDマニュアル)。浅い静脈の血栓は、炎症で血管の壁にしっかり付いているため、はがれて流れることはまれとされます(MSDマニュアル)。くり返す場合は、原因となる病気がないか調べることが勧められます(MSDマニュアル)。

循環器内科で扱うほかの病気

出典

MedlinePlus「Deep Vein Thrombosis」 / NHLBI「Venous Thromboembolism – Symptoms」 / MSDマニュアル家庭版「表在静脈血栓症」・「深部静脈血栓症」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。