病気の解説
心筋梗塞
別名:心室瘤、急性心筋梗塞
緊急性の高い症状
次のような症状があるときは、迷わず119番で救急車を呼んでください。心筋梗塞かどうかはっきりしなくても、呼ぶことが勧められています(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)。
- 胸の真ん中あたりの、締めつけられる・押しつぶされるような強い痛みや圧迫感が続く
- 胸の痛みが、休んでもおさまらない(ニトログリセリンを使っている人では、使っても効かない)
- 胸の不快感とともに、冷や汗、息苦しさ、吐き気、めまいがある
- 痛みが肩・腕・背中・首・あご・みぞおちに広がる
家族やかかりつけ医に先に連絡して時間を使うのは危険だとされ、まず救急車を呼ぶことが勧められています(MSDマニュアル家庭版)。
出典:国立循環器病研究センター「虚血性心疾患」、MSDマニュアル家庭版「急性冠症候群」、MedlinePlus「Heart Attack」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 上の緊急症状があるときは、受診を待たずに救急車を呼びます。
- 胸の痛みや圧迫感が以前より強くなった、安静にしていても起こる、回数が増えたときは、早めに受診してください(国立循環器病研究センター)。
- はっきりした胸の痛みがなくても、急な息切れ、理由のわからない強いだるさ、吐き気などが続くときは相談してください(MSDマニュアル家庭版)(国立循環器病研究センター)。
相談先は循環器内科です。胸の痛みはほかの病気でも起こり、症状だけで心筋梗塞かどうかを判断することはできません。
基本
心筋梗塞とは
心臓の筋肉に酸素と栄養を送っている血管(冠動脈)が急に詰まり、血液が届かなくなった部分の心筋が傷んでいく病気です(MedlinePlus)(国立循環器病研究センター)。治療が遅れるほど傷む範囲が広がるため、一刻を争います(MedlinePlus)。心筋梗塞は、心臓が止まる「心停止」とは別のものですが、心停止の引き金になることがあります(MedlinePlus)。
主な症状
- 胸の痛み:胸の奥の強い痛みや圧迫感で、不安感を伴うことがあります。狭心症と違って15分以上続き、数時間に及ぶこともあります(国立循環器病研究センター)。
- 広がる痛み:肩・腕・背中・首・あごなどに痛みが広がることがあります(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。
- ほかの症状:息苦しさ、冷や汗、吐き気・おう吐、めまい、動悸などがみられます(国立循環器病研究センター)(MedlinePlus)。
胸の痛みがはっきりしないこともあります。糖尿病のある人や高齢の人では症状がわかりにくく、だるさや食欲がないだけ、ということもあります(国立循環器病研究センター)。女性・高齢者・糖尿病のある人では、息切れ、吐き気、胃の不調、めまいなどが主な症状になることがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。前ぶれがある場合も、突然起こる場合もあります(国立循環器病研究センター)。
原因・なりやすい要因
多くは、動脈硬化で冠動脈の壁にたまった脂肪のかたまり(プラーク)が破れ、そこにできた血のかたまり(血栓)が血管をふさぐことで起こります(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。まれに、冠動脈が強くけいれんして起こることもあります(MedlinePlus)。
なりやすくする要因として、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙が特に重要とされ、ほかに肥満、ストレス、家族歴、加齢、男性であること、閉経後の女性であることなどが挙げられています(国立循環器病研究センター)。
検査と診断
診断
病院ではまず心電図をとり、血液検査で心筋が傷んだときに増える物質(トロポニンなど)を調べます(MSDマニュアル家庭版)。必要に応じて心臓の超音波検査(心エコー)を行い、冠動脈のカテーテル検査で詰まっている場所を確かめます(MSDマニュアル家庭版)(国立循環器病研究センター)。
治療
治療
- カテーテル治療:細い管(カテーテル)を使って詰まった冠動脈を広げ、血流を戻す治療(PCI)が中心です(国立循環器病研究センター)(MSDマニュアル家庭版)。
- 薬:血栓をできにくくする薬、血栓を溶かす薬、心臓の負担を減らす薬などが使われます(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。
- バイパス手術:状態によっては、詰まった部分を迂回する新しい血液の通り道をつくる手術(冠動脈バイパス術)が行われます(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。
- 心臓リハビリテーション:入院中から、運動や生活の指導を組み合わせたリハビリが始められます(MSDマニュアル家庭版)(国立循環器病研究センター)。
日常生活の注意・セルフケア
退院後の生活は、主治医やリハビリの担当者の指示を優先してください。
- 血栓を防ぐ薬(抗血小板薬)は、自己判断でやめないことが大切です。ほかの医療機関で中止を指示されたときも、主治医に相談してください(国立循環器病研究センター)。
- 食事・入浴・排便・運動などを続けて行うと心臓に負担がかかるため、間に休みをはさむことが勧められています(国立循環器病研究センター)。
- 入浴はぬるめのお湯で長湯を避け、排便時に強くいきまないよう便秘を防ぎましょう(国立循環器病研究センター)。
経過と生活
予防
禁煙、食生活の見直し、適度な運動が、発症や再発の予防に役立つとされます(国立循環器病研究センター)(MedlinePlus)。血圧・コレステロール・血糖を、生活習慣の改善や必要に応じた薬で管理することも大切です(MedlinePlus)。一度心筋梗塞を起こした人は再発しやすいため、再発を防ぐ薬や生活の工夫について主治医とよく相談してください(MedlinePlus)。
経過
心筋梗塞による死亡の半数は、症状が出てから3〜4時間以内に起こるとされており、早く治療を受けることが何より重要です(MSDマニュアル家庭版)。発症直後の数日を乗り越えると、多くの人は回復が見込めるとされます(MSDマニュアル家庭版)。経過が良ければ、普段の生活に戻ることができます(MSDマニュアル家庭版)。
心筋梗塞と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
循環器内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
国立循環器病研究センター「虚血性心疾患」 / MSDマニュアル家庭版「急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症)」 / MedlinePlus「Heart Attack」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。