病気の解説

鉛中毒

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受診の目安

  • 子どもが古い塗装のはがれた破片や、鉛を含むかもしれない物を口にした・なめた可能性があるとき(CDC)(MSDマニュアル家庭版)
  • 鉛を扱う仕事や趣味(電池、はんだ付け、金属の精錬、ステンドグラス、鉛の釉薬を使う陶芸など)があり、頭痛、腹痛、便秘、手足のしびれ、集中力や記憶力の低下などが続くとき(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)
  • 子どもの機嫌が悪い、遊ばなくなったなどの変化が続くとき(MSDマニュアル家庭版)
  • 激しい嘔吐をくり返す、うまく歩けない、ぼんやりしている・眠りがち、けいれんがあるときは、すぐに救急医療機関を受診してください(medimichi の注記)

子どもは小児科、大人は内科で相談できます。仕事で鉛を扱う人は職場の健康管理の担当者や産業医にも相談してください。鉛中毒は症状が出ないことも多く、症状だけでは判断できないため、心配なときは血液検査を受けることが勧められています(CDC)。誤って飲み込んだときの相談窓口として、日本の中毒110番があります(MSDマニュアル家庭版)。

基本

鉛中毒とは

鉛中毒は、金属の鉛が体に取り込まれてたまり、脳や神経、腎臓、血液などに害を及ぼす状態です(WHO)(MSDマニュアル家庭版)。体に入った鉛は骨などに蓄積され、長く残ります(WHO)(CDC)。鉛には「これ以下なら安全」といえる量は知られていないとされます(WHO)。特に子どもは影響を受けやすいとされています(WHO)(MedlinePlus)。

主な症状

体にたまった量が少ないうちは、はっきりした症状が出ないことが多いとされます(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。

  • 子ども:知能や注意力、学習への影響、成長・発達の遅れ、行動の問題、聞こえや言葉の問題などが起こることがあります(CDC)(WHO)。大量に取り込むと、貧血、強い腹痛、筋力の低下が起こり、非常に多い場合はけいれんや意識障害に至ることもあります(MedlinePlus)(WHO)。
  • 大人:血圧の上昇、腎臓の障害、手足のしびれなど神経の症状、筋肉や関節の痛み、いらいら、集中力や記憶力の低下、不妊などがみられることがあります(MedlinePlus)(WHO)(MSDマニュアル家庭版)。
  • 共通してみられうるもの:口の中の金属の味、食欲の低下、便秘、貧血など(MSDマニュアル家庭版)。

妊娠中は、骨にたまった鉛が血液に出て胎児に届き、胎児の成長や早産に影響することがあります(WHO)。

原因・なりやすい要因

鉛は口から入るほか、粉じんや煙として吸い込むことでも体に入ります(WHO)。主な原因として次のものが知られています。(WHO)(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)

  • 古い住宅の鉛を含む塗料のはがれた破片や、改修工事で出る粉じん
  • 古い鉛の水道管から溶け出した水
  • 鉛を使う仕事:電池の製造やリサイクル、はんだ付け、金属の精錬など
  • 鉛の釉薬を使った陶磁器に、酸味のある飲食物を入れて使うこと
  • 鉛を含む一部の伝統的な化粧品や民間薬、輸入された製品
  • 体内に残った銃弾などの鉛の異物

子どもは手や物を口に入れることが多く、同じ量を飲み込んでも大人より多くの鉛を吸収するため、影響を受けやすいとされます(WHO)(CDC)。栄養不足、特にカルシウムや鉄が足りないと吸収が増えるとされます(WHO)。

検査と診断

診断

血液中の鉛の量を測る検査で調べます(WHO)(CDC)。症状や生活・仕事の状況もあわせて判断し、飲み込んだ鉛の破片を確かめるためにおなかのX線検査を行うこともあります。家庭の水、陶磁器、塗料を調べることが原因探しに役立ちます(MSDマニュアル家庭版)。

治療

治療

治療の第一歩は、鉛の発生源を見つけて、それ以上取り込まないようにすることです(WHO)(MSDマニュアル家庭版)。体にたまった量が多い場合は、鉛と結びついて体の外に出す薬(キレート剤)による治療が行われ、重い場合は入院して治療します(MSDマニュアル家庭版)。治療の必要性や方法は、血液検査の結果などから医師が判断します。

経過と生活

予防

鉛にふれる機会を減らすことが予防の基本です。(MedlinePlus)(MSDマニュアル家庭版)(WHO)

  • 古い住宅の塗装の補修やはがし作業は、鉛対策ができる専門業者に任せる
  • 子どもの手やおもちゃをこまめに洗い、ほこりをためないよう掃除する
  • 鉛を含むおそれのある陶磁器、化粧品、民間薬を避ける
  • 鉛を扱う仕事では防護具を使い、作業着のまま帰宅しない、帰ったら体を洗う
  • 妊娠中は特に鉛にふれないよう注意する

経過

早く気づいて鉛を断てば、それ以上の害を防ぐことにつながるとされます(CDC)。一方で、子どもの脳への影響や腎臓の障害は、治療をしても一部が残ることがあります(MSDマニュアル家庭版)(WHO)。

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出典

WHO ファクトシート「Lead poisoning」 / MedlinePlus「Lead Poisoning」 / CDC「Signs and Symptoms of Lead Exposure in Children」 / MSDマニュアル家庭版「鉛中毒」
内容の確認日:2026-10-18(次回確認予定 2027-04-18)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。