病気の解説
頚椎症
別名:頚部脊椎症、頸椎症
受診の目安
次のような症状は、首の骨の変化で脊髄が圧迫されているサインのことがあり、早めに受診してください。
- ボタンのかけはずし、箸を使う、字を書くといった手先の動作が不器用になった(日本整形外科学会)
- 歩くときに脚がもつれる、ふらつく、階段で手すりが必要になった(日本整形外科学会)(AAOS)
- 手や脚に力が入りにくい、手足のしびれが広がってきた(日本整形外科学会)(AAOS)
- 腕・手の脱力やしびれ、歩くときの不安定さがだんだん強くなっている(AAOS)
次のような場合も受診の目安です。
- 肩から腕にかけての痛みや手指のしびれが続く、首を後ろに反らすと痛みが強くなる(日本整形外科学会)
- 首の痛みやこりが長引く、くり返す(AAOS)
相談先は整形外科です。首や腕の痛み・しびれは、ほかの首の病気や神経の病気でも起こり、症状だけで原因を判断することはできません。画像で骨の変化があっても症状のない人も多く、診察と検査をあわせて診断されます(日本整形外科学会)。
基本
頚椎症とは
頚椎症は、年齢とともに首の骨(頚椎)のあいだのクッション(椎間板)が傷んでふくらんだり、骨にとげ(骨棘)ができたりする変化のことです(日本整形外科学会)(AAOS)。年齢を重ねた人にはよくみられ、多くは目立った症状がありません(AAOS)。この変化によって、腕へ向かう神経の根元(神経根)が刺激されると「頚椎症性神経根症」、首の中を通る脊髄が圧迫されると「頚椎症性脊髄症」と呼ばれます(日本整形外科学会)。日本人は脊髄の通り道(脊柱管)が欧米人より狭く、脊髄症が起こりやすいとされます(日本整形外科学会)。
主な症状
- 首の症状:首の痛みやこわばり。長く上や下を向いていたり、同じ姿勢を続けたりすると悪化しやすく、休むと和らぐことが多いとされます。頭痛や、首を回したときのゴリゴリ音を伴うこともあります(AAOS)。
- 神経根症:中高年に多く、片側の肩から腕にかけての痛み、手指のしびれが出ます。首を後ろに反らすと痛みが強くなるため、上を向く動作やうがいがつらくなります。腕の力が弱くなることもあります(日本整形外科学会)。
- 脊髄症:手足のしびれ、手先の細かい動作のしにくさ、歩きにくさ・バランスの悪さ、手足の力の低下などが出ます(日本整形外科学会)(AAOS)。
原因・なりやすい要因
主な原因は加齢による椎間板や骨の変化です(日本整形外科学会)(AAOS)。家族歴、喫煙、首をくり返し動かす作業や上を向く作業、以前の首のけがなどが、なりやすさに関係するとされます(AAOS)。遠近両用メガネでパソコン画面を見るときなど、首を反らした姿勢が続くことも、神経根症の原因になることがあります(日本整形外科学会)。
検査と診断
診断
症状を聞き、手足の筋力・感覚・反射、歩き方などを診察します(日本整形外科学会)(AAOS)。X線(レントゲン)で骨の変化を、MRIで脊髄や神経の圧迫を確認します。必要に応じてCTや神経の働きを調べる検査が行われます(日本整形外科学会)(AAOS)。画像の変化だけでは診断できず、症状とあわせて判断されます(日本整形外科学会)。
治療
治療
- 手術をしない治療:多くはまずこちらから始めます(AAOS)。首を後ろに反らさないようにすることに加え、痛み止め・消炎鎮痛薬、筋肉のこわばりを和らげる薬、リハビリ(運動療法・姿勢の指導・牽引)、温める・冷やすなどが行われます(日本整形外科学会)(AAOS)。首のカラー(装具)は短い期間にとどめるとされます(AAOS)。神経の痛みには注射(神経ブロック)が使われることもあります(AAOS)。
- 手術:脊髄症で手先の動作が日常生活に支障をきたすほど不自由になったり、階段で手すりが必要になったりした場合に選ばれます(日本整形外科学会)。神経根症でも、筋力の低下が強い場合や、痛みで生活や仕事に支障がある場合に検討されます(日本整形外科学会)。
日常生活の注意
治療中は医療機関の指示を優先してください。
- 首を後ろに大きく反らす動作や姿勢を避けます(日本整形外科学会)。
- 脊髄が圧迫されている人は、転ぶなどの軽いけがでも手足のまひ(脊髄損傷)が起こるおそれがあるため、転倒に注意します(日本整形外科学会)。
- 同じ姿勢を長く続けないようにします(AAOS)。
経過と生活
経過
神経根症は、基本的には自然に良くなることが多いとされますが、回復までに数か月以上かかることも少なくありません(日本整形外科学会)。脊髄症では、手足の症状が進んでいくかどうかを見ながら治療法が検討されます(日本整形外科学会)(AAOS)。
頚椎症と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
整形外科で扱うほかの病気
出典
日本整形外科学会「頚椎症性脊髄症」 / 日本整形外科学会「頚椎症性神経根症」 / 米国整形外科学会(AAOS)OrthoInfo「Cervical Spondylosis (Arthritis of the Neck)」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。