病気の解説
C型肝炎
別名:Cかたかんえん、C肝、HCV抗体、慢性ウイルス性C型肝炎
受診の目安
- 肝炎ウイルス検査を一度も受けたことがない方は、症状がなくても一生に一度は検査を受けることが強く勧められています。自治体や保健所などで、無料または低い費用で受けられる場合があります(肝炎情報センター)。
- 輸血や大きな手術を1992年までに受けた方、フィブリノゲン製剤を1994年まで、または血液凝固因子製剤を1988年までに使った方、家族にC型肝炎ウイルスの陽性者がいる方は、特に検査が勧められています(肝炎情報センター)。
- 健康診断などで肝炎ウイルス検査が陽性と言われた方は、そのままにせず医療機関を受診してください。治療法は肝臓の専門医と相談して決めるとされています(肝炎情報センター)。受診先は消化器内科・肝臓内科などです。
- 尿の色が濃い、白目や皮膚が黄色い、便の色が白っぽい、だるさ・吐き気・おなかの痛みといった症状は、感染して間もない時期にみられることがあります(MedlinePlus)。こうした症状があるときも受診してください。
- 治療でウイルスが消えた方も、肝がんのリスクが残るため、定期的な検査を続けることが必要とされています(肝炎情報センター)。
C型肝炎は症状がほとんど出ないことが多く、逆に、だるさなどの症状だけでは病名は判断できません。感染しているかどうかは血液検査で確かめます(肝炎情報センター)。自己判断せず、医師に相談してください。
基本
C型肝炎とは
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染して起こる肝臓の病気です(肝炎情報センター)。数週間で終わる軽いものから、生涯続く重いものまであります(MedlinePlus)。
感染すると、60〜80%の人ではウイルスが自然には消えず、感染が続く状態(慢性化)になります(肝炎情報センター)。慢性の感染が続くと、慢性肝炎から肝硬変、肝がんへ進むことがあります(肝炎情報センター)(MedlinePlus)。日本では、肝がんの患者さんの約半数がC型肝炎ウイルスに関係しているとされています(肝炎情報センター)。
主な症状
多くの人は、感染しても自覚症状がありません(肝炎情報センター)(MedlinePlus)。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝硬変や肝がんになるまで気づかれないこともあります(肝炎情報センター)。
- 感染して間もない時期(急性):一部の人では、感染から1〜3か月ほどで、だるさ、発熱、食欲がない、吐き気・嘔吐、おなかの痛み、関節の痛み、濃い色の尿、白っぽい便、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが出ることがあります(MedlinePlus)。
- 慢性肝炎:症状がないことがほとんどで、あっても、だるさや疲れやすさ、食欲不振といった、ほかの病気と区別しにくいものです(肝炎情報センター)。
- 肝硬変まで進んだとき:黄疸、むくみ、おなかに水がたまる(腹水)、手のひらが赤くなる、鼻血が出やすく血が止まりにくい、などがみられることがあります(肝炎情報センター)。食道の静脈が太くなったもの(食道静脈瘤)が破れると、命にかかわることがあります(肝炎情報センター)。
原因・感染経路
C型肝炎ウイルスは、感染している人の血液を介してうつります(肝炎情報センター)(MedlinePlus)。
- 日本では、ウイルス検査が十分でなかった時期の輸血や血液製剤(輸血は1992年まで、フィブリノゲン製剤は1994年まで、血液凝固因子製剤は1988年までに使われたもの)が主な原因として挙げられています(肝炎情報センター)。現在の輸血用血液や血液製剤は精度の高い検査を経ているため、これらで感染することはまずないとされています(肝炎情報センター)。
- 注射針や注射器の使い回しは、世界的に新しい感染の原因とされています(肝炎情報センター)。
- 消毒が不十分な器具での入れ墨やピアス、医療現場などでの針刺し事故、カミソリや歯ブラシの共用、出産時の母子感染、性行為でうつることもあります(MedlinePlus)。
一方で、握手や抱き合うこと、食器の共用、一緒の入浴では感染しないとされています。他人の血液に直接触れなければ、家庭や集団生活でうつる心配はほとんどありません(肝炎情報センター)。C型肝炎ウイルスへの感染を理由に差別をしてはならないとされています(肝炎情報センター)。
検査と診断
診断
- HCV抗体検査:まず血液で抗体を調べます。抗体が陽性なのは「過去に一度は感染した」ことを示し、今も感染しているのか、すでに治っているのかは、これだけでは分かりません(肝炎情報センター)。
- HCV-RNA検査:ウイルスの遺伝子が血液中にあるかを調べ、陽性なら現在も感染していると判断します(肝炎情報センター)。治療法を選ぶために、ウイルスの型も調べます(肝炎情報センター)。
- 肝臓の状態を調べる検査:血液検査(AST・ALT、アルブミン、血小板数など)や、肝臓の硬さ(線維化)を調べる検査、超音波・CT・MRIなどの画像検査を組み合わせます。必要に応じて肝臓の組織を調べる検査(肝生検)を行うこともあります(肝炎情報センター)(MedlinePlus)。ALTが正常範囲でも、病気が進んでいることがあるとされています(肝炎情報センター)。
治療
治療
治療の目標は、体の中からウイルスを取り除くことです(肝炎情報センター)。
- 現在は、注射のインターフェロンを使わない飲み薬の抗ウイルス薬による治療が中心です(肝炎情報センター)。多くの場合、抗ウイルス薬で治すことができるとされています(MedlinePlus)。
- 初めての治療でウイルスが消える割合は、慢性肝炎から肝機能が保たれた肝硬変では95%以上、肝機能が低下した肝硬変でも約9割とされています(肝炎情報センター)。
- 使う薬は、ウイルスの型や病気の進み具合、これまでの治療歴、ほかに飲んでいる薬などによって変わるため、肝臓の専門医と相談して決めます(肝炎情報センター)。
- 感染して間もない時期は、慢性化するかどうかを見てから治療を始めることがあります(MedlinePlus)。
- 肝がんを合併していない方は、抗ウイルス治療に医療費の助成を受けられるとされています(肝炎情報センター)。
肝硬変が進んだ場合は専門医による治療が必要となり、肝不全や肝がんでは肝移植が検討されることもあります(MedlinePlus)。
経過と生活
予防
C型肝炎のワクチンは、まだ実用化されていません(肝炎情報センター)(MedlinePlus)。予防の基本は、他人の血液に触れないことです(肝炎情報センター)。
- 注射針などを他人と共用しない(MedlinePlus)。
- カミソリ、歯ブラシ、爪切りなど、血液が付く可能性のある物を共用しない(MedlinePlus)。
- 入れ墨やピアスは、消毒した器具を使うところで受ける(MedlinePlus)。
- 他人の血液や傷に触れるときは手袋を使う(MedlinePlus)。
- 性行為ではコンドームを使う(MedlinePlus)。
経過
慢性肝炎の30〜40%は、およそ20年で肝硬変に進むとされ、肝硬変になると毎年約7%の割合で肝がんが起こると言われています(肝炎情報センター)。慢性の感染は、何十年もたって合併症が出るまで症状がないことも多いため、症状がなくても検査を受けることが大切です(MedlinePlus)。
治療でウイルスが消えても、肝臓の病気がすべて治ったわけではありません。肝がんのリスクが残るため、治療後も定期的に血液検査や画像検査を受けることが必要とされています(肝炎情報センター)。
消化器内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
肝炎情報センター(国立健康危機管理研究機構)「C型肝炎」 / MedlinePlus「Hepatitis C」
内容の確認日:2026-10-16(次回確認予定 2027-04-16)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。