病気の解説

ポリオ(大人)

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緊急性の高い症状

ポリオが疑われる症状があるときは、すぐに医療機関に連絡するか、救急外来を受診するよう勧められています(CDC)(MedlinePlus)。とくに次のような場合は急いでください。

  • 腕や脚に急に力が入らなくなった、動かしにくくなった
  • 息が苦しい、呼吸が浅い(呼吸に使う筋肉がまひすると命にかかわります)

出典:CDC「About Polio in the United States」、MedlinePlus「Polio and Post-Polio Syndrome」

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • ポリオがまだ流行している地域に行った後や、ワクチンを受けていない・受けたか分からない状態で、発熱やのどの痛みのあとに手足の力の弱さが出てきたとき
  • 過去にポリオにかかったことがあり、何十年もたってから、以前まひした筋肉などに新しい筋力の低下や強い疲れ、関節の痛みが出てきたとき
  • 流行地への渡航や、医療・検査の仕事でウイルスに触れる可能性があり、ワクチンの追加接種について相談したいとき

手足のまひや筋力低下を起こす病気はほかにも多く、症状だけで病名は決められません。急なまひは救急外来へ、ポリオの後遺症が気になる場合は脳神経内科や整形外科・リハビリテーション科に相談してください。診察ではワクチン歴や最近の旅行歴を確認されます(MedlinePlus)。

基本

ポリオとは

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスが神経に入り込んで起こる感染症で、手足などのまひを残すことがあります(MedlinePlus)。主に5歳未満の子どもがかかる病気ですが、ワクチンを受けていなければ大人でもかかります(MedlinePlus)。ワクチンが行き渡った国ではまれになりましたが、まだなくなっていない地域があり、旅行者を通じて持ち込まれるおそれがあります(CDC)。大人にとっては、感染そのものに加えて、昔かかった人に何十年も後から起こる「ポリオ後症候群」も大切な問題です(CDC)。

主な症状

感染したとき

  • 感染しても、多くの人は症状が出ません(CDC)。
  • およそ4人に1人は、のどの痛み、発熱、だるさ、吐き気、頭痛、腹痛といったかぜに似た症状が出て、2〜5日ほどで自然におさまります(CDC)。
  • 一部の人では、脳や脊髄をおおう膜に炎症(髄膜炎)が起こります(CDC)。
  • まれに腕や脚に力が入らなくなったり、まひしたりします。まひは一生残ることがあり、呼吸の筋肉に及ぶと命にかかわります(CDC)(MedlinePlus)。

ポリオ後症候群

ポリオから回復した人に、通常15〜40年ほどたってから現れます(MedlinePlus)。以前にポリオでおかされた筋肉に新たな筋力低下が起こり、筋肉がやせる、心身の強い疲れ、関節の痛み、背骨の曲がり(側弯)などがみられます(MedlinePlus)(CDC)。軽い人から目に見えて筋力が落ちる人までさまざまで、命にかかわることはまれですが、日常生活が難しくなることがあります(CDC)。ほかの人にうつるものではありません(CDC)。

原因・なりやすい要因

ポリオウイルスは人だけに感染し、口から入ってのどや腸で増えます(CDC)。感染した人の便に触れることや、まれにせき・くしゃみのしぶきでうつります。汚れた手で口を触る、食べ物や食器を共有する、衛生状態の悪い所で汚染された水や食べ物をとる、といった経路が考えられます(CDC)(MedlinePlus)。

症状が出る少し前から、症状が出た後もしばらくはうつす可能性があり、症状のない人からもうつります(CDC)(MedlinePlus)。ワクチンを受けていない、または必要な回数を受けていない人、流行地に住む・旅行する人はかかる危険が高いとされます(CDC)(MedlinePlus)。

検査と診断

診断

のどや便、ときに脊髄の周りの液(髄液)などを採ってウイルスを調べます。便から見つかることが最も多いとされます(MedlinePlus)(CDC)。脊髄の様子をMRIで調べることもあります(MedlinePlus)。ポリオ後症候群は、ほかの原因を確かめながら診断されます。

治療

治療

ポリオ:ウイルスそのものを治す薬はありません(CDC)(MedlinePlus)。軽い場合は休養と水分補給で回復することがあります。手足の筋力低下には理学療法や作業療法が行われ、早く始めるほど長い目で見た回復に役立つ可能性があるとされます(CDC)。痛みや熱には痛み止めが使われ、呼吸の筋肉が弱った場合は人工呼吸器が必要になります(MedlinePlus)。

ポリオ後症候群:根本的に治す方法はなく、症状に合わせて生活を支える治療が中心です。痛みや疲れが長く残らない程度の運動、歩行などを助ける器具、呼吸を助ける機器の利用などが挙げられます(MedlinePlus)。

日常生活の注意・セルフケア

医療機関の指示を最優先にしてください。ポリオ後症候群がある場合は、疲れや痛みが長引くほど無理な運動を避けること、栄養のある食事、十分な睡眠、禁煙といった生活の工夫が勧められています(MedlinePlus)。

経過と生活

予防

  • ワクチン:予防の中心はワクチンです。注射で打つ不活化ワクチンと、口から飲む生ワクチンがあります(MedlinePlus)。必要な回数をすべて受けた子どもの大部分は守られるとされます(CDC)。
  • 大人の接種:ワクチンを受けていない、または回数が足りない大人は接種が勧められます(CDC)。子どものときに接種を終えた大人でも、流行地へ行く人や、ウイルスを含むおそれのある検体を扱う人などは、追加接種が検討されることがあります(MedlinePlus)。
  • 手洗い:せっけんと流水でこまめに手を洗います。アルコール手指消毒剤ではポリオウイルスは死なないとされています(CDC)(MedlinePlus)。

経過

多くの人は症状がないか、軽いかぜのような症状で終わります(CDC)。まひが起きた場合は一生残ることがあり、呼吸の筋肉がおかされると亡くなることもあります(CDC)。回復した人でも、何十年も後にポリオ後症候群が現れることがあります(CDC)。

整形外科で扱うほかの病気

出典

CDC「About Polio in the United States」 / MedlinePlus「Polio and Post-Polio Syndrome」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。