病気の解説
一過性脳虚血発作
緊急性の高い症状
片側のまひ・しびれ・言葉の障害・片目が見えないなどが突然起きたときは、たとえ消えても、ただちに救急(119)を要請してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
症状が短時間で消えても、脳梗塞の前触れのことがあります。必ず早急に受診してください。
基本
概要
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳の血管が一時的に詰まることで起こる症状です。多くは血栓や動脈硬化による脂肪のかたまりが原因となり、脳へ血流が一時的に止まると、症状が数分から1時間程度で元に戻ることが多いです。症状は急に現れ、突然消えます。発作後も脳卒中のリスクが高くなることがあるため、早めの受診が大切です。
主な症状
TIAの症状は、脳卒中と似ていますが一時的です。突然、体の片側の顔・腕・脚の麻痺や感覚の異常、言葉が出にくい、理解が難しい、視界の乱れ、めまいなどが生じます。これらは多くの場合数分から1時間未満で消えます。発作は日に数回起こることも、長期間起こらないこともあります。
検査と診断
診断
症状が突然現れ、一時的に消える場合には、脳卒中とTIAの区別が難しいことがあります。速やかな救急受診が推奨され、CT検査や可能であれば MRI検査で脳の様子を調べます。症状が消失しても、原因を特定する検査を行い、脳卒中のリスク因子を確認します。入院して検査を受けることもあります。
治療
治療
TIAの治療は、脳卒中の再発を予防することを目的とします。危険因子をコントロールするほか、血栓ができにくくする薬の投与や、場合によっては血管の形成を行う治療が検討されます。高血圧・コレステロールの管理、喫煙の中止、糖尿病の適切なコントロールなどが重要です。
使われる薬
血栓予防の薬として、抗血小板薬が使われることがあります。アスピリン、低用量アスピリンとジピリダモールの組み合わせ、クロピドグレル、またはクロピドグレルとアスピリンの併用が挙げられます。併用は単独使用より一時的に有効ですが、出血リスクも少し高まることがあります。心臓から出た血栓が原因の場合には、ワルファリンなどの抗凝固薬が使われることがあります。新しい抗凝固薬としてダビガトラン、アピキサバン、リバーロキサバンなどが紹介されています。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。