病気の解説
くも膜下出血
緊急性の高い症状
突然の『今まで経験したことのない』激しい頭痛、嘔吐、意識がもうろうとするときは、ただちに救急(119)を要請してください。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
突然の激しい頭痛は危険なサインです。経験したことのない頭痛はすぐ受診してください。
基本
概要
くも膜下出血は、頭のくも膜と脳の間で出血が起こる状態です。出血の原因として、動脈瘤の破裂が最も多いとされています。動脈瘤は動脈の壁の弱くなった部分のこぶで、長年の高血圧などが関係することがあります。動静脈奇形が原因となることもあります。一般的には、出血は突然起こり、年齢は40〜65歳でみられることが多いとされています。治療には入院・安静が基本となり、動脈瘤をふさぐための血管内手術などが行われます。出血によりさまざまな症状が出ることがあり、治療を受けることで再出血のリスクを減らすことが目的です。
主な症状
動脈瘤が破裂すると、激しい頭痛が突然現れることがあります。頭痛は時に雷鳴頭痛と呼ばれることがあり、顔面や眼の痛み、複視、かすみ目、頸のこわばり、意識の変化などの症状がみられることがあります。動脈瘤が破裂する前に、神経を圧迫して視界の症状が出る場合や、少量の出血が頭痛として現れることもあります。破裂による頭痛は数分でピークに達することが多く、場合によっては意識を失うこともあります。
検査と診断
診断
診断にはCT検査やMRI検査が用いられます。出血の有無を早く確認するためにCTがまず行われることが多いです。CT検査で結論が出ない場合やCT結果が正常でも疑いがある場合は腰椎穿刺が行われることがあります。動脈瘤を確認するにはMRアンギオグラフィーやCT血管造影、最も正確には脳血管造影検査が用いられることがあります。
治療
治療
くも膜下出血が疑われる場合は、直ちに入院が必要となる場合があります。絶対静止が求められ、抗凝固薬や抗血小板薬は出血を悪化させるため使われません。痛み止めとして鎮痛薬が用いられることがありますが、NSAIDsは出血リスクを考慮して使われないことがあります。便秘対策として便軟化剤が使われることがあります。血管れん縮を予防するためニモジピンが投与されることがあり、血圧は適度に保たれます。高血圧がある場合には治療が行われます。動脈瘤の治療として、血管内コイル塞栓術や血管内ステント留置、外科的手術などが選択されます。
経過と生活
経過・予後
動脈瘤が破裂してくも膜下出血が起きた人の約35%が病院到着前に死亡します。再出血を防ぐための治療が行われることでリスクは低下します。治療をしない場合には、6か月生存者でも年に約3%の再破裂リスクがあるとされています。動静脈奇形が原因の場合は経過が良いこともあると記されています。出血後は全ての機能が回復するわけではなく、後遺症として半身の麻痺や言語障害などが残ることがあります。
くも膜下出血と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。