病気の解説

偽膜性腸炎

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緊急性の高い症状

この感染症は命にかかわることがあるとされます(CDC)。とくに重い大腸炎では、強い脱水、脈が速くなる、血圧が下がるといった状態になることがあり、その場合は速やかな受診が必要とされています(MSDマニュアル家庭版)。

  • 下痢が激しく、脱水が強いと感じる
  • 脈が速い、血圧が下がっていると言われた、またはそのような様子がある

出典:CDC(米国疾病予防管理センター)、MSDマニュアル家庭版

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 抗菌薬(抗生物質)を飲んでいる間、または飲み終えたあとに下痢が始まったとき(CDC)
  • 入院中や施設に入所中に、下痢や腹痛、発熱が出たとき
  • 以前にこの感染症にかかったことがあり、同じような症状が戻ってきたとき

相談先は消化器内科、または抗菌薬を処方した医師です。下痢があるからといってこの病気とは限らず、ふつうは便の検査で確かめます(CDC)。自己判断で下痢止めを飲む前に医師に相談しましょう。腸の動きを止める下痢止めは、この病気では使わないとされています(MSDマニュアル家庭版)。

基本

偽膜性腸炎とは

クロストリディオイデス・ディフィシル(略してC. diff)という細菌が大腸で増え、下痢や大腸の炎症を起こす感染症です(CDC)。菌が出す毒素によって、大腸の内側に「偽膜」と呼ばれる膜のようなものができることがあり、この状態を偽膜性腸炎(偽膜性大腸炎)と呼びます(MSDマニュアル家庭版)。多くは抗菌薬を使ったあと、腸内の善玉菌のバランスが崩れたことをきっかけに起こります(MedlinePlus)。

主な症状

  • 何日も続く下痢、便の回数の増加(MedlinePlus)
  • 発熱、おなかの痛みや押したときの痛み(CDC)
  • 食欲がない、吐き気(CDC)

症状の重さには幅があり、便が少しやわらかくなる程度から、血の混じった下痢まであるとされます(MSDマニュアル家庭版)。下痢が強いと脱水になりやすく、大腸の炎症が重くなることもあります(CDC)。

原因・なりやすい要因

抗菌薬は悪い菌だけでなく、腸を守っている菌も減らしてしまい、その影響は数か月続くことがあります(MedlinePlus)。CDC は抗菌薬の使用を最大の危険因子としています(CDC)。そのほか、次のような人がかかりやすいとされます(CDC)(MedlinePlus)。

  • 病院や介護施設に入院・入所している、または最近までしていた人
  • 65歳以上の人
  • がんの治療や臓器移植後の薬などで免疫が弱まっている人
  • 以前にこの感染症にかかったことがある人

菌は体の外では「芽胞」という強い形で、物の表面などに長く生き残ります。便で汚れた物や手を介して口に入ることで広がります(CDC)。健康な人の多くは、菌が入っても発病しないとされます(CDC)。

検査と診断

診断

最近の抗菌薬の使用などの経過を聞いたうえで、便を調べて菌や毒素を確かめます(MedlinePlus)。大腸の内視鏡で偽膜を直接見ることもあります(MSDマニュアル家庭版)。合併症が疑われるときは、X線やCTなどの画像検査を行うことがあります(MedlinePlus)。

治療

治療

  • 原因となった抗菌薬の見直し:ほかの病気のために飲んでいる抗菌薬は、安全であれば中止したり別の薬に変えたりします(CDC)。
  • この菌に効く抗菌薬:C. diff に効果のある特定の抗菌薬(バンコマイシンやフィダキソマイシンなど)が使われます(CDC)。
  • 重い場合:入院して点滴で水分を補い、状態を見守ります。まれに、傷んだ大腸を切除する手術が必要になることがあります(CDC)(MedlinePlus)。
  • くり返す場合:何度も再発する人には、健康な人の便に含まれる腸内細菌を移す治療(便移植)で良い結果が報告されています(CDC)(MedlinePlus)。

経過と生活

予防・うつさない工夫

家庭での対策や薬の使い方は、医療機関の指示を優先してください。

  • 抗菌薬を使い始めるときは、この感染症のリスクと、症状が出たときにどうするかを医師に確認しておきます(CDC)。
  • トイレのあとと食事の前は、せっけんと流水で手を洗います(CDC)(MedlinePlus)。
  • 下痢がある人がいる家庭では、トイレの便座やレバー、ふたを消毒剤で拭いてからほかの人が使うようにします(MedlinePlus)。

経過

治療で良くなる人が多い一方、治療後しばらくして再発する人も少なくありません(MedlinePlus)(CDC)。症状がまた出てきたときは、早めに医師に伝えましょう。

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出典

CDC「About C. diff」 / MedlinePlus「C. diff Infections」 / MSDマニュアル家庭版「クロストリジオイデス・ディフィシル腸炎」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。