病気の解説

大動脈弁閉鎖不全症

別名:大動脈弁逆流症

まず相談する診療科循環器内科
この解説の項目8項目

受診の目安

  • 健康診断などで「心雑音がある」「心電図に異常がある」と言われたとき
  • 動いたときに息が切れやすくなった、疲れやすくなったとき
  • 夜、横になると息苦しく、体を起こすと楽になるとき
  • 足のむくみや体重の増加、胸の痛み、動悸、めまいや気が遠くなる感じがあるとき

相談先は循環器内科です。これらの症状はほかの心臓や肺の病気でも起こるため、症状だけで病名は判断できません。心臓の超音波検査(心エコー)などで調べる必要があります(国立循環器病研究センター)(MSDマニュアル家庭版)。

基本

大動脈弁閉鎖不全症とは

心臓から全身へ血液を送り出す出口には、大動脈弁という「逆流を防ぐ扉」があります(MedlinePlus)。大動脈弁閉鎖不全症は、この弁がきちんと閉じなくなり、送り出したはずの血液の一部が心臓(左心室)へ逆戻りしてしまう病気です(国立循環器病研究センター)。「大動脈弁逆流症」とも呼ばれます(MSDマニュアル家庭版)。逆流した分を補うため心臓に負担がかかり、左心室が大きくなっていき、やがて心不全につながることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

主な症状

逆流が軽いうちは自覚症状がなく、長い間気づかないことも少なくありません(国立循環器病研究センター)(MSDマニュアル家庭版)。進行すると、次のような症状が出ることがあります。

  • 動いたときの息切れ、疲れやすさ(MedlinePlus)
  • 夜、横になったときの息苦しさ(体を起こすと楽になる)(MSDマニュアル家庭版)
  • 胸の痛み(とくに夜間)(MSDマニュアル家庭版)
  • 足などのむくみ、体重の増加(国立循環器病研究センター)
  • 動悸、めまい、気が遠くなる感じ(MedlinePlus)

原因・なりやすい要因

  • 年齢とともに弁が変化すること(国立循環器病研究センター)
  • 生まれつき弁の形が違うこと(本来3枚の弁が2枚の「二尖弁」など)(国立循環器病研究センター)(MSDマニュアル家庭版)
  • 大動脈の付け根が広がること、体の結合組織の病気(国立循環器病研究センター)
  • 大動脈炎症候群や関節リウマチなどの病気(国立循環器病研究センター)
  • 弁に細菌が付く感染性心内膜炎(国立循環器病研究センター)
  • リウマチ熱、梅毒(MSDマニュアル家庭版)

感染性心内膜炎や大動脈解離では、逆流が急に起こることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

検査と診断

診断

聴診器で特徴的な心雑音が聞こえることや、心電図の異常がきっかけで見つかることが多いとされます(国立循環器病研究センター)。診断と重症度の判定には心エコー検査が欠かせません。詳しく見る必要があるときは、食道から超音波をあてる検査を行うこともあります(国立循環器病研究センター)。大動脈が広がっている場合には、CTやMRIで大動脈の状態を調べることがあります(MSDマニュアル家庭版)。

治療

治療

  • 定期的な経過観察:症状がなくても、定期的な診察と心エコーで逆流の程度や心臓の大きさの変化を確かめます(国立循環器病研究センター)(MSDマニュアル家庭版)。
  • 手術:治療の中心は、自分の弁を修復する弁形成術、または人工の弁に取り替える弁置換術です。人工弁には生体弁と機械弁があります(国立循環器病研究センター)。心臓が回復できないほど傷む前に手術の時期を決めることが大切で、症状がなくても手術が勧められることがあります(MSDマニュアル家庭版)(MedlinePlus)。
  • 薬:症状を和らげたり、原因となる病気を治療したりする目的で使われることがありますが、薬だけで手術が不要になるわけではないとされます(MSDマニュアル家庭版)。

機械弁を選んだ場合は、血が固まるのを防ぐ薬を生涯飲み続ける必要があります(MedlinePlus)。

日常生活の注意・セルフケア

生活上の注意は、主治医の指示を優先してください。

  • 症状がなくても、決められた通院と検査を続けましょう(国立循環器病研究センター)。
  • 人工弁に取り替えた人は、歯科の治療や手術を受ける前に、感染予防の抗菌薬が必要になることがあります。治療を受ける医療機関に人工弁が入っていることを伝えてください(MSDマニュアル家庭版)。

経過と生活

経過

軽症から中等症では、治療を受けていれば見通しは良いとされます。重い逆流でも、心不全が起こる前に弁置換術を受ければ長期の見通しは良好ですが、心不全を起こしてからでは経過が悪くなるとされています(MSDマニュアル家庭版)。

循環器内科で扱うほかの病気

出典

国立循環器病研究センター「心臓弁膜症」 / MedlinePlus「Heart Valve Diseases」 / MSDマニュアル家庭版「大動脈弁逆流症」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。