病気の解説

妊娠悪阻

まず相談する診療科産婦人科
関係する症状吐き気・嘔吐
この解説の項目6項目

緊急性の高い症状

次のときはすぐに医療機関へ連絡し、受診してください。

  • 吐き気・嘔吐がひどいとき
  • めまいがする、気を失いそうになる・気を失ったとき

出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications、CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 妊娠中に吐き気がずっと続く、1日に何度も吐く、食事や水分がとれない、体重が減ってきたときは、早めにかかっている産婦人科に相談してください。
  • つわりより重い状態で、点滴による水分や栄養の補給のため入院が必要になることもあります。我慢しすぎないことが大切です。
  • 薬を使うかどうかは自己判断せず、担当医に相談してください。

症状だけで病名を見分けることはできません。気になる症状があれば自己判断せず、医療機関で診察を受けてください。

出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications、CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs

基本

概要

妊娠悪阻は、妊娠中に嘔吐や食欲不振などの症状が現れ、十分な食事がとれない状態です。症状がひどいと脱水や電解質の乱れなどが起こることがあります。妊娠8週ごろより前のコルチコステロイドの使用はまれですが考慮されることがあります。症状が長く続く場合には医療機関での治療が必要になることがあります。

主な症状

妊娠悪阻では、食事を十分にとれないことから体が脂肪を分解してケトン体が増えることがあります。これが疲労感や口臭、めまいを起こすことがあります。脱水が起こると心拍数の増加や低血圧、場合によっては不整脈がみられることがあります。まれに肝臓の損傷や錯乱、ウェルニッケ脳症のような症状、食道の裂傷が起こることもあります。

検査と診断

診断

診断の際には体重の経時的な点検や血液検査、尿検査が行われます。嘔吐の開始時期や頻度、嘔吐物の様子などを質問して診断の手がかりとします。超音波検査では胎児の状態を確認し、胞状奇胎や多胎妊娠の有無を調べます。他にも嘔吐の原因を探るための検査が行われることがあります。

治療

治療

治療の第一歩として、治療が確定するまで経口摂取を控え、輸液による水分補給を行います。必要に応じて糖や電解質・ビタミンを含む輸液を用います。嘔吐が強い場合には吐き気を和らげる薬が投与されます。水分が回復し吐き気が治まれば、少しずつ経口で水分を取り、薄味の食事を少しずつ量を増やしていきます。経口摂取が難しい場合には長期間の輸液が必要になることもあります。症状が再発する場合には同様の治療を繰り返します。どうしても体重減少が止まらない場合には短期間のコルチコステロイドが使用されることがありますが、妊娠8週以前の使用はまれです。

妊娠悪阻と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

産婦人科で扱うほかの病気

出典

参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:Office on Women's Health (womenshealth.gov): Pregnancy complications / CDC Hear Her: Urgent Maternal Warning Signs(2026-10-13 確認)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。