病気の解説
延髄外側症候群
別名:Wallenberg症候群、ワレンベルク症候群、ワレンベルグ症候群
緊急性の高い症状
- 突然のめまい・ふらつき・歩きにくさ、物が二重に見えるなどの見え方の異常、顔や手足のしびれ・力が入らない、ろれつが回らない、原因のわからない激しい頭痛が出たときは、すぐに119番で救急車を呼んでください。
出典:MedlinePlus: Stroke、CDC: Signs and Symptoms of Stroke
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
延髄外側症候群(ワレンベルク症候群)は脳梗塞の一種で、症状は急に現れます。脳卒中が疑われるときは、外来の予約を待たずに救急を受診してください(脳神経内科・脳神経外科が対応します)。
- 症状が出始めた時刻をメモしておくと、治療の選択に役立ちます。
- 自分で運転して病院へ向かわないでください。
- 発症後に飲み込みにくさや声のかすれ、ふらつきなどが残っている方は、リハビリや再発予防の治療を主治医の指示どおり続けてください。
症状だけで病名を判断することはできません。気になる症状があれば医療機関で診察を受けてください。
出典:MedlinePlus: Stroke、CDC: Signs and Symptoms of Stroke
基本
概要
延髄外側症候群は、脳幹の一部である延髄と呼ばれる場所に脳梗塞が起きることで生じる神経の症状の総称です。ワレンベルク症候群とも言われます。主な原因は、椎骨動脈や延髄外側部へ血を送る後下小脳動脈の閉塞などです。飲み込みの障害や声のかすれ、顔や首から下の温度や痛みの感覚障害などが急に現れます。60歳以上に多いとされる脳梗塞ですが、延髄外側症候群の平均発症年齢は50歳前後で、若い方でも注意が必要です。
主な症状
主な症状として、嘔吐、嚥下障害、声のかすれ、温度や痛みを感じる感覚の障害、物が二重に見えるなどが現れます。運動麻痺はみられないことが多いのが特徴です。
原因
主な原因は動脈硬化による脳梗塞と考えられています。脳梗塞には、深部の細い血管が詰まるラクナ梗塞、コレステロールの沈着で大きな血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞、心臓などからできた血栓が脳へ流れて起こる心原性脳塞栓症などがあります。延髄外側症候群は、椎骨動脈解離が原因となることもあります。裂けた内膜が血流を妨げ、後下小脳動脈の閉塞を招くと延髄外側に脳梗塞を起こします。
検査と診断
診断
診断を考えるときは、問診・診察のほか画像検査を行います。CTやMRIのほか、脳の血管を見る検査(MRA)で椎骨動脈の閉塞や解離の有無を確認します。裂けた部位にはこぶができることがあり、原因と閉塞部位を正確に捉えることが大切です。
治療
治療
治療は、脳梗塞の治療と同じく閉塞した血流を回復させることを目指します。発症から4.5時間以内なら血栓溶解療法(t-PA)や血栓を取り除く治療を検討します。急性期治療の後は再発防止のための治療を継続することが検討されます。椎骨動脈解離が原因の場合は、解離部分の状態を詳しく確認したうえで抗凝固薬や抗血小板薬などの薬を用いた治療を行うことが一般的です。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:MedlinePlus: Stroke / CDC: Signs and Symptoms of Stroke(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。