病気の解説

慢性硬膜下血腫

まず相談する診療科脳神経内科
関係する症状頭痛
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受診の目安

  • 頭をぶつけてから数週間〜数か月たって、頭痛、物忘れ、歩くときのふらつきなどが出てきたとき
  • これまで普通に生活していた人が、急に物忘れが増えた、怒りっぽくなった、意欲がなくなったように見えるとき
  • 片側の手足に力が入りにくい、言葉が出にくい、尿をもらすようになったとき
  • 手術後に退院してから、言動がおかしいと感じたとき(再発のおそれ)

相談先は脳神経外科です。疑わしい症状があれば早めの受診が勧められています(熊本医療センター)。本人が頭を打ったことを覚えていない場合や、症状を自覚しにくい場合も多く、周りの人が変化に気づくことが大切です(熊本医療センター)(MSDマニュアル)。認知症と似た経過をたどることがあり、症状だけで病名を判断することはできません。頭部CTやMRIで確かめます(MSDマニュアル)(熊本医療センター)。まれに、急に手足のまひや意識の障害が起こることもあるとされます(熊本医療センター)。

基本

慢性硬膜下血腫とは

脳は硬膜という膜に包まれています。慢性硬膜下血腫は、この硬膜と脳の間に、液状になった血液(血腫)が時間をかけてたまり、脳を圧迫する病気です(順天堂東京江東高齢者医療センター)(MSDマニュアル)。転んで頭をぶつけるなどの軽い頭のけがの後、通常3週間〜3か月ほどかけてゆっくり血液がたまるとされます(順天堂東京江東高齢者医療センター)(熊本医療センター)。治療によって症状の改善が見込めるため、「治療できる認知症」の原因の一つとして知られています(熊本医療センター)。

主な症状

症状はゆっくり進むことが多く、血腫の場所や大きさによってさまざまです(熊本医療センター)(MSDマニュアル)。

  • 頭痛
  • 物忘れなど認知機能の低下、意欲の低下、怒りっぽくなる
  • 歩くときのふらつき、歩きにくさ
  • 片側の手足のまひ、言葉が出にくい
  • 眠気、ぼんやりする、尿もれ

血腫が薄く症状がないまま、自然に吸収されることも少なくないとされます(順天堂東京江東高齢者医療センター)(熊本医療センター)。

原因・なりやすい要因

多くは軽い頭のけがの後に起こり、脳と硬膜の間をつなぐ細い静脈から少しずつ出血することで生じます。高齢になると脳が縮んでこの静脈が引っぱられ、切れやすくなるとされます(MSDマニュアル)。頭をぶつけた覚えがない場合もあります(熊本医療センター)(MSDマニュアル)。

なりやすい要因:

  • 高齢者(熊本医療センターでは60歳以上が約半数と報告されています)、男性(熊本医療センター)
  • お酒を多く飲む人(順天堂東京江東高齢者医療センター)(MSDマニュアル)
  • 血液をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる人、血液が固まりにくい人(順天堂東京江東高齢者医療センター)(MSDマニュアル)
  • 脳の萎縮、水頭症のシャント手術後、透析中など(熊本医療センター)

検査と診断

診断

頭部CTまたはMRIで、脳の表面にたまった血腫を確認します(熊本医療センター)(MSDマニュアル)。頭のけがから症状が出るまでに時間がかかるため、診断が難しく、認知症と間違われることもあるとされます(MSDマニュアル)。

治療

治療

  • 経過観察:血腫が薄く症状がない場合は、自然に吸収されることもあり、様子をみます(順天堂東京江東高齢者医療センター)(MSDマニュアル)。
  • 手術:血腫が厚く症状がある場合は手術を行います。局所麻酔で頭に小さな穴をあけ、たまった血液を洗い流して外に出し、細い管(ドレーン)をしばらく入れておく方法が一般的です(熊本医療センター)(MSDマニュアル)。比較的リスクの少ない手術とされ、多くの人で手術の翌日には症状が良くなるとされています(順天堂東京江東高齢者医療センター)。

手術が必要な場合、受診したその日や数日以内に行われることがあります(熊本医療センター)。

日常生活の注意・セルフケア

日常の過ごし方は医療機関の指示を優先してください。もともと転倒がきっかけになることが多いため、ふらつきによる転倒に注意します(熊本医療センター)。血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は、発症も再発も起こりやすいとされるため、自己判断で薬をやめず、主治医に相談しましょう(熊本医療センター)。

経過と生活

経過

治療により症状が良くなるか、それ以上悪くならないことが多いとされます(MSDマニュアル)。一方で再発することがあり、穿頭手術後の再発は8〜20%との報告があり、手術後1か月前後の早い時期に多いとされます(熊本医療センター)。再発しても症状がなければ薬などで様子をみることがあり、症状が出た場合は再び手術を行います(熊本医療センター)。

慢性硬膜下血腫と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

脳神経内科で扱うほかの病気

出典

順天堂東京江東高齢者医療センター「区民健康講座 慢性硬膜下血腫」 / 国立病院機構熊本医療センター 医療情報誌「手術で症状改善!慢性硬膜下血腫」 / MSDマニュアル家庭版「頭蓋内血腫」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。