病気の解説

社交不安障害

別名:社交不安症、社交恐怖、社会不安性障害、社会不安障害

まず相談する診療科精神科
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緊急性の高い状態

  • 死にたい気持ちが強い、自分を傷つけてしまいそうなときは、ひとりで抱えず、すぐに身近な人や医療機関に助けを求めてください。
  • 命に危険が迫っている場合は、迷わず119番に連絡してください。

出典:NIMH「Social Anxiety Disorder: More Than Just Shyness」(危機時の対応の記載を日本の救急番号に置き換えて記載)

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 人前で話す、初対面の人と会う、人前で食事をする・字を書くといった場面への強い不安や恐怖が続いているとき(千葉大学・宮崎大学)(NIMH)
  • 不安のために、学校や仕事、人づきあいなど日常生活に支障が出ているとき(NIMH)
  • そうした場面を避けることが増え、生活の幅が狭くなっていると感じるとき(NIMH)
  • 気分の落ち込みや、お酒などに頼ることが増えているとき(NIMH)

相談先は精神科や心療内科です。まずはかかりつけ医に相談し、専門の医療機関を紹介してもらう方法もあります(NIMH)。人前での緊張は誰にでもあるもので、症状だけで自分で病気かどうかを決めることはできません。体の病気が隠れていないかも含めて、医師が確かめます(NIMH)。

基本

社交不安障害とは

人と関わる場面で「他人からどう見られるか」「恥をかくのではないか」という強い不安や恐怖が起こり、その場面を避けたり、強い苦痛を感じながら耐えたりすることで、生活に支障が出る病気です(NIMH)(千葉大学・宮崎大学)。重要な場面で緊張するのは誰にでもあることですが、この病気では何気ない日常の場面でも恐怖を感じてしまいます(千葉大学・宮崎大学)。

日本では以前「社会不安障害」と呼ばれ、その後「社交不安障害」、現在は「社交不安症」という名称も使われています(千葉大学・宮崎大学)。性格の問題と誤解されやすく、受診する人が少ないことが指摘されています(千葉大学・宮崎大学)。

主な症状

  • 不安を感じる場面の例:人前で話す、注目を浴びる、初対面の人や目上の人と話す、人前で食事をする・字を書く、面接やデートなど(千葉大学・宮崎大学)(NIMH)
  • 体の症状:顔が赤くなる、汗をかく、手足がふるえる、心臓がどきどきする、胃のむかつき、頭が真っ白になる感じなど(NIMH)
  • 行動や考え方:その場面や人を避ける、目を合わせにくい、声が小さくなる、終わったあとに自分を強く責める、悪い結果ばかりを予想するなど(NIMH)
  • 子どもの場合:学校に行きたがらない、友だちを作りにくい、腹痛や頭痛を訴える、人前で話せなくなるなどの形で現れることもあります(NIMH)。

原因・なりやすい要因

子どもから思春期のころに始まることが多く、女性にやや多いとされます(NIMH)。家族の中で起こりやすい傾向があり、恐怖や不安にかかわる脳の働きに、遺伝的な要因が影響していると考えられています。ストレスや環境の影響については研究が続いています(NIMH)。

うつ病やほかの不安の病気、アルコールなどの使いすぎを合わせ持つこともあります(NIMH)。

検査と診断

診断

医師が、どのような場面でどのくらい強い不安が起こるか、どのくらい続いているか、生活にどれだけ影響しているかを詳しく聞いて判断します。症状が一定期間以上続いていることが目安のひとつとされます。ほかの体の病気が原因でないかを確かめるため、診察が行われることもあります(NIMH)。

治療

治療

精神療法、薬、またはその両方を、一人ひとりに合わせて組み合わせます(NIMH)。

  • 認知行動療法:不安を強めている考え方や行動のくせに気づき、少しずつ考え方や行動の幅を広げていく精神療法です。避けていた場面に段階的に向き合う練習も含まれます(NIMH)(千葉大学・宮崎大学)。日本では、決められた手順に沿って行う場合に、社交不安症の認知行動療法が保険診療の対象になっています(千葉大学・宮崎大学)。
  • 薬:抗うつ薬(SSRIなど)が標準的な薬として広く使われています。効果が出るまでに数週間かかることがあります(NIMH)(千葉大学・宮崎大学)。動悸やふるえなど体の症状を抑える薬や、短い期間に限って使う抗不安薬が使われることもあります(NIMH)。

抗うつ薬で十分に良くならなかった人でも、認知行動療法を併用することで改善が期待できるという国内の研究報告があります(千葉大学・宮崎大学)。

日常生活の注意・セルフケア

治療中は、医療機関の指示を最優先にしてください。

  • 十分な睡眠、適度な運動、バランスのよい食事は助けになりますが、治療の代わりにはなりません(NIMH)。
  • 信頼できる人に状況を話す、同じ悩みを持つ人の集まりに参加するなど、支えを得ることも役立つとされます(NIMH)。
  • 苦手な場面を避けると一時的には楽になりますが、それだけでは不安はなかなか消えないとされます(NIMH)。

経過と生活

経過

治療を受けずに自然に良くなることは多くないとされています(千葉大学・宮崎大学)。ストレスの多い時期や大きな環境の変化の際に症状が強まることがあります(NIMH)。治療により多くの人で症状の改善が期待できるため、ひとりで悩まず相談することが大切です(MedlinePlus)(千葉大学・宮崎大学)。

精神科で扱うほかの病気

国家試験での出題

医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。

出典

NIMH「Social Anxiety Disorder: More Than Just Shyness」 / 千葉大学・宮崎大学 プレスリリース「抗うつ薬が効かない社交不安症(対人恐怖症)を認知行動療法が改善」 / MedlinePlus「Phobias」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。