病気の解説
網膜静脈分枝閉塞症
受診の目安
網膜静脈分枝閉塞症では、突然、視野の一部が見えにくくなる、ものがゆがんして見える(変視症)といった自覚症状が現れることがあります。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、眼科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。
基本
概要
網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は、網膜の中を流れる静脈の一部が詰まる病気です。詰まった場所の血流が滞ると、出血やむくみが起こり、黄斑浮腫が進むと視力が低下したり、ものがゆがんで見えることがあります。血流が悪くなった部分に新しい血管が生じることがあり、これらは脆くて出血や網膜剥離を起こすこともあります。日本では BRVO は中心静脈閉塞症と比べて頻度が高いとされ、完全に失明することはまれですが視力に影響を与えることがあります。出血は、詰まった領域の網膜で見られます。
主な症状
突然、視野の一部が見えにくくなる、ものがゆがんして見える(変視症)といった自覚症状が現れることがあります。視力が急に低下することもあります。進行して自覚症状が少ないまま進むこともあり、新生血管からの出血で初めて気づくこともあります。視野異常は詰まっている血管の位置によって異なり、上下のどちらか半分が暗く見えやすいことが特徴です。視力の低下の程度は黄斑浮腫の強さと関連します。
原因
主な原因は高血圧や動脈硬化、緑内障、遠視などです。糖尿病や脂質異常症も発症リスクを高めます。60歳代以上の中高年に多いとされています。基礎疾患の管理をして、眼科の治療と併せて内科での血圧・血糖・脂質のコントロールを行うことが大切です。
病態
詰まった血管の領域では血流が途絶し、網膜に出血や黄斑浮腫が生じます。虚血部には新生血管が生え、これが脆くて硝子体出血や牽引性網膜剥離を起こす可能性があります。出血や浮腫の程度が視力へ影響します。
検査と診断
診断
まず眼底検査で出血の範囲や血管の詰まり具合を観察します。視力に関係する黄斑浮腫の有無や程度を調べるために、光干渉断層計(OCT)検査が有用です。OCTでは詰まった血管の領域に黄斑浮腫がある様子を確認できます。蛍光眼底造影検査を行うと、血流の途絶している範囲(虚血領域)や新生血管の有無を詳しく評価できます。
治療
治療
黄斑浮腫が視力低下の原因であれば、抗VEGF薬の硝子体内注射が最も一般的な治療です。むくみを改善して視力の回復を図り、効果を維持するために数回の注射が必要になることがあります。視力が比較的良好な場合は経過観察とし、必要に応じてステロイド薬の注射を行うことがあります。虚血が広い場合には網膜光凝固術(レーザー治療)を実施して新生血管の発生を防ぎます。新生血管からの出血や網膜剥離が起きた場合は硝子体手術を検討します。
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出典
参考: 日本眼科学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。