病気の解説
脚気
受診の目安
- 足のしびれや力の入りにくさ、足のむくみ、だるさが続くときは、内科で相談しましょう。とくに、食事が白米などに偏っている、お酒を多く飲む、といった心当たりがある場合は、そのことも伝えてください(WHO)(MSDマニュアル家庭版)。
- 脈が速い、息切れがするなど、心臓の不調を思わせる症状があるときは、早めに受診してください。ビタミンB1不足では心不全が起こることがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
- お酒を多く飲む人などで、急にぼんやりする、ふらついて歩けない、目の動きがおかしいといった症状が出たときは、ウェルニッケ脳症の可能性があり、すぐに治療が必要とされます(MSDマニュアル家庭版)。
しびれやむくみ、だるさは、ほかの多くの病気でも起こります。症状だけで脚気かどうかを判断することはできません。
基本
脚気とは
脚気は、ビタミンB1(チアミン)が足りなくなって起こる病気です。ビタミンB1は、ブドウ糖などから体のエネルギーをつくる働きに関わっています(厚生労働省)。
不足すると神経や脳に障害が起こることがあり、ビタミンB1欠乏症には脚気のほかに、脳が障害されるウェルニッケ・コルサコフ症候群があります(厚生労働省)。
主な症状
脚気には、主に次のような現れ方があり、両方の特徴が混ざった中間の型もあります(WHO)。
- 心臓に影響が出る型:むくみを伴います(WHO)。脈が速くなり、進むと心不全になることがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
- 神経に影響が出る型:手足の末梢神経が障害されます(WHO)。足のしびれやほてり(夜に強くなりやすい)、足のつり、筋力の低下などがみられることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
ビタミンB1を抜いた食事を続けた実験では、早い段階の症状の一つとして全身のだるさが出たと報告されています(厚生労働省)。
ビタミンB1が足りない母親の母乳で育つ赤ちゃんに起こる「乳児脚気」では、急に心不全になることがあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
- 精白した米を中心とした食事が典型的な原因とされます。精製した小麦粉が食事の中心になっている場合や、お酒を多く飲む人、極端に偏った食べ方をしている人にも起こります(WHO)。
- 摂取が足りない状態が2〜3か月続くと起こりうるとされます(WHO)。ビタミンB1をまったく含まない食事が2週間以上続くと症状が出る場合がある、ともされています(厚生労働省)。
- 妊娠・授乳中、甲状腺機能亢進症、激しい運動などで必要量が増えたときや、長引く下痢で吸収が落ちたときにも不足しやすくなります(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
診断
症状や診察(とくに心臓と神経の状態)をもとに判断されます。ビタミンB1を補って症状がよくなることで、診断が確かめられるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
治療
治療
不足しているビタミンB1を補います。多くは飲み薬で、重い場合は点滴で投与されることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
欠乏実験では、ビタミンB1を含む食事に戻すと血液中の濃度はすぐに上がり始め、2週間ほどでほぼ元に戻り、だるさも消えたと報告されています(厚生労働省)。
ウェルニッケ脳症が疑われる場合は、ビタミンB1を注射などで急いで投与する治療が必要とされます(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
予防
毎日の食事でビタミンB1を十分にとることが予防の基本です。科学的な根拠は十分ではないものの、ビタミンB1が食事1,000kcal当たり0.3mg以上あれば脚気が起こる可能性はほとんどない、という考え方が示されています(厚生労働省)。
白米や精製した小麦粉に偏らない食事を心がけ、お酒の飲みすぎにも注意しましょう(WHO)。食事や飲酒について気になることがあれば、医師や管理栄養士に相談してください。
経過
治療しないままでいると、体の障害や死亡につながることがあります(WHO)。治療を受ければ多くの人が回復するとされますが、ウェルニッケ・コルサコフ症候群では脳の障害が残ることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
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出典
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)各論 ビタミン(水溶性ビタミン:ビタミンB1)」 / WHO「Thiamine deficiency and its prevention and control in major emergencies」 / MSDマニュアル家庭版「チアミン欠乏症」(事実確認)
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。