病気の解説
腎細胞がん
別名:腎細胞癌
受診の目安
- 尿に血が混じる、尿が赤っぽい・茶色っぽいとき。とくに血尿がある場合は早めの受診が勧められています(がん情報サービス)(MedlinePlus)
- わき腹や背中の痛みが続く、お腹にしこりを触れるとき(がん情報サービス)(MedlinePlus)
- はっきりした理由のない体重減少、食欲の低下、発熱、だるさが続くとき(がん情報サービス)(MedlinePlus)
- 健康診断や他の病気の検査で、腎臓に「影」や「腫瘤」があると言われたとき(がん情報サービス)
相談先は泌尿器科です。血尿やわき腹の痛みは、尿路結石や膀胱炎など他の病気でも起こるため、症状だけで病名を判断することはできません。
基本
腎細胞がんとは
腎臓は、背中側の腰より少し上に左右1つずつある臓器で、血液をろ過して尿をつくるほか、血圧の調整などにも関わっています(がん情報サービス)。腎細胞がんは、この腎臓の実質(尿をつくる部分)の細胞から発生するがんで、腎臓にできるがんの多くを占めます(がん情報サービス)。同じ腎臓でも、尿が集まる「腎盂(じんう)」にできるがんは性質や治療が異なる別の病気として扱われます(がん情報サービス)。
主な症状
早い段階ではほとんど症状がなく、小さながんの多くは健康診断や別の病気の検査で偶然見つかります(がん情報サービス)(MedlinePlus)。がんが大きくなると、次のような症状が出ることがあります(がん情報サービス)(MedlinePlus)。
- 血尿
- わき腹や背中の痛み、お腹のしこり
- 食欲不振、吐き気、便秘、腹痛、足のむくみ
- 発熱、だるさ、体重の減少
肺や骨、脳などへ転移すると、せきや血の混じった痰、骨の痛み、頭痛や手足の片側の動かしにくさなど、転移した場所に応じた症状が出ることがあり、転移の症状から腎臓のがんが見つかることもあります(がん情報サービス)。
原因・なりやすい要因
- 喫煙(がん情報サービス)(MedlinePlus)
- 肥満(がん情報サービス)
- 長期間の透析(がん情報サービス)
- 年齢:年齢とともになりやすくなります(MedlinePlus)。
- 遺伝性の病気:フォン・ヒッペル・リンドウ病など、一部の遺伝性の病気では腎細胞がんが起こりやすいとされます(がん情報サービス)(MedlinePlus)。遺伝子の変化があっても必ずがんになるわけではなく、心配な場合は遺伝カウンセリングを受ける方法があります(がん情報サービス)。
検査と診断
診断
- 画像検査:まず超音波検査やCTが行われ、造影剤を使ったCTで診断を確かめます。肺への転移の有無を調べるため胸のCTも行います。造影CTが難しい場合などにはMRIを使います(がん情報サービス)。
- 生検:画像で判断がつかない場合に、細い針で組織を採って顕微鏡で調べることがあります(がん情報サービス)(MedlinePlus)。
- その他:骨への転移が疑われるときは骨シンチグラフィなどを行います。血液検査で全身の状態や腎臓の働きも確認します(がん情報サービス)。
がんの大きさや広がり、リンパ節や他の臓器への転移の有無から病期(ステージ)が決められ、治療方針の判断に使われます(がん情報サービス)。
治療
治療
治療は、病期、がんの組織の種類、全身の状態、年齢、本人の希望などをもとに、医師と相談して決めます(がん情報サービス)(MedlinePlus)。
- 手術:転移のない段階では手術が標準的な治療です。できる場合は腎臓の一部だけを切除して腎臓の働きを残す方法が選ばれ、難しい場合は腎臓全体を切除します。開腹手術のほか、腹腔鏡手術やロボット支援手術もあります。もう一方の腎臓がよく働いていれば、腎臓1つでも多くは普段どおりに生活できるとされます(がん情報サービス)。
- 凍結療法:小さながんに針を刺して凍らせる治療で、高齢や持病などで手術が難しい場合の選択肢です(がん情報サービス)。
- 監視療法:小さく早い段階のがんで、とくに手術の危険が高い場合に、すぐに治療せず定期的な画像検査で様子をみる方法です(がん情報サービス)。
- 薬物療法:手術ができない場合や、転移・再発したがんに対して、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が中心に使われます(がん情報サービス)(MedlinePlus)。
- 放射線治療:腎臓のがんそのものを治す目的ではあまり使われず、骨や脳への転移による痛みなどを和らげるために使われます(がん情報サービス)。
- 緩和ケア:体や心のつらさを和らげるケアは、診断されたときから受けられます(がん情報サービス)。
日常生活の注意・セルフケア
治療中・治療後は、医療機関の指示を最優先にしてください。
- 禁煙し、お酒は控えめにし、バランスのよい食事と適度な運動を心がけます。塩分をとりすぎないことも勧められています(がん情報サービス)。
- 残った腎臓の働きを守るため、高血圧や糖尿病がある人はその管理を続けます(がん情報サービス)。
- 新しく薬を飲み始めるときや造影剤を使う検査を受けるときは、腎臓への影響があるため、腎臓の治療を受けたことを医師に伝えましょう(がん情報サービス)。
経過と生活
予防
腎細胞がんに特有の確立した予防法はありません。禁煙、節酒、バランスのよい食事、体を動かすこと、適正な体重を保つことなど、がん全般の予防につながる生活が勧められます(がん情報サービス)。症状のない人を対象とした腎細胞がんの検診は、現在は国の指針として勧められていません(がん情報サービス)。
経過
治療の後も、再発や転移、合併症がないかを確かめるため、定期的に通院して画像検査を受けます。治療から長い年月がたってから再発することもあるため、経過観察が長く続くことがあります(がん情報サービス)。
腎細胞がんと関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
泌尿器科で扱うほかの病気
出典
国立がん研究センター がん情報サービス「腎細胞がん」 / MedlinePlus「Kidney Cancer」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。