病気の解説
膵嚢胞性腫瘍
受診の目安
膵嚢胞性腫瘍は自覚症状が乏しく、血液検査や健康診断で気づかれることが多い病気です。検査の異常を指摘された・数値が気になるとき、体調の変化が続くときは、消化器内科に相談してください。すでに治療中の方は自己判断で中断しないでください。
基本
概要
膵嚢胞性腫瘍とは、膵臓の内部や周辺に袋の形をした病変ができる状態です。袋の中は液体で満たされ、症状がないものもあれば、悪性化する可能性やホルモンの分泌異常を起こすものもあります。膵嚢胞性腫瘍には膵管の粘膜から発生するタイプ(膵管内乳頭粘液性腫瘍 IPMN、粘性性嚢胞腫瘍 MCN、漿液性嚢胞腫瘍 SCN など)も含まれます。発症頻度は年齢とともに増え、80歳以上では約10%程度と指摘されることがあります。多くは偶然の診断で見つかり、8割程度は自覚症状がありません。
主な症状
嚢胞のタイプによって症状は異なります。仮性膵嚢胞は小さいと自覚症状が少なく、巨大化すると腹部の痛みや腹部の張り、時に感染を起こすことがあります。嚢胞が破裂すると膵液が腹腔へ漏れ、周囲の臓器や血管に影響を及ぼすことがあります。一方、膵管の粘膜から発生する嚢胞は自覚症状が少ないことが多いですが、膵管が詰まって膵液が停滞すると膵炎を起こす場合があり、腹痛や発熱、黄疸が現れることがあります。膵神経内分泌腫瘍はホルモンの異常分泌を引き起こし、低血糖や難治性の胃潰瘍などを生じることがあります。
検査と診断
診断
診断には血液検査と画像検査が行われ、膵臓の機能や炎症の程度を評価します。画像検査では嚢胞の大きさや位置、周囲への影響を確認するためにCTやMRIが使われ、必要に応じて造影検査が行われます。膵管内乳頭粘液性腫瘍などの場合、全身のCT検査や内視鏡検査で他の臓器のがんの有無を調べることがあります。ERCP検査も膵管の閉塞の有無を調べ、膵液を採取してがん化の評価を行うことがあります。
治療
治療
症状がなく、がん化する可能性が低い場合は治療を行わないのが原則です。ただし嚢胞が大きく破裂する可能性がある場合やがん化のリスクが高い場合は手術で嚢胞を取り除くことがあります。薬物治療や放射線治療は基本的に行われません。仮性嚢胞ががん化するリスクのない場合には、内視鏡を用いて嚢胞内の内容物を排出する治療が行われることもあります。
経過と生活
予防
発症の正確なメカニズムはまだ不明な部分がありますが、膵臓の炎症や高脂肪食・アルコール多飲など膵臓への過度の負担がリスクと考えられています。そのため、適正なカロリーと栄養バランスの取れた食事を心がけ、アルコールの過量摂取を避けることが推奨されています。発見後も治療が不要と判断された場合には、定期的な検査で嚢胞の拡大などの変化をチェックします。
消化器内科で扱うほかの病気
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。