病気の解説
霰粒腫
受診の目安
- まぶたに、押してもあまり痛まないコロコロしたしこりができ、なかなか小さくならないとき
- しこりが大きくなって目立つ、ものが見えにくくなったなど、生活に支障が出てきたとき
- しこりのまわりまで赤く腫れて痛むとき
- 治療をしても消えないしこりがあるとき(とくに中高年以降の方)
相談先は眼科です。まぶたのしこりや腫れは、霰粒腫のほかに、細菌によるものもらい(麦粒腫)や、まぶたのできもの(腫瘍)などでも起こります。見た目や症状だけで病名を決めることはできないため、診察で確かめてもらいましょう(日本眼科学会)(日本眼科医会)。
基本
霰粒腫とは
霰粒腫は、まぶたの中にある脂を出す腺(マイボーム腺)の出口がふさがり、たまった脂に対する反応から、肉芽腫と呼ばれるしこりができる病気です(日本眼科学会)。細菌の感染が原因ではない、長く続く炎症とされ、細菌が原因の麦粒腫とは区別されます(日本眼科医会)(MSDマニュアル家庭版)。上下どちらのまぶたにもでき、乳幼児から高齢の方まで幅広い年代にみられます(日本眼科学会)。俗に「ものもらい」「めばちこ」などと呼ばれるものの一つです(日本眼科学会)。
主な症状
- しこり:まぶたに丸く硬いしこりを触れます。典型的には痛みや赤みはほとんどありません(日本眼科学会)。
- 腫れ・ゴロゴロ感:まぶたが腫れたり、目に何か入っているような感じがしたりします(日本眼科学会)。
- 見え方の変化:しこりが眼球を押して、少しかすんで見えることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 炎症が強いとき:しこりのまわりにも炎症が広がり、赤く腫れたり、しこりが皮膚の外に出てきたりすることがあります。こうなると麦粒腫とよく似てきます(日本眼科学会)。細菌の感染が加わったものは「急性霰粒腫」と呼ばれます(日本眼科医会)。
原因・なりやすい要因
直接のきっかけは、マイボーム腺の出口が詰まることです(日本眼科学会)。なりやすさに関わる要因として、まぶたの縁の炎症(眼瞼炎)や酒さ、喫煙歴、まつ毛の根もとのダニ(毛包虫)などが報告されています(日本眼科医会)。
京都府立医科大学眼科の検討では、女性にやや多く、小さな子どもにもよくみられ、子どもでは複数できたり左右両方にできたりする例が多かったと報告されています(日本眼科医会)。
検査と診断
診断
多くは眼科でまぶたを診察して判断されます(MSDマニュアル家庭版)。似た病気として、麦粒腫、まぶたの嚢胞、涙の通り道の炎症、目のまわりの感染症、悪性腫瘍などがあり、これらとの見分けが大切です(日本眼科学会)。
とくに高齢の方では、霰粒腫と思われたしこりが、まぶたの脂腺から生じるがん(脂腺癌)であることがあります。なかなか治らない場合は、取った組織を顕微鏡で調べる検査(病理検査)を含めて詳しく調べる必要があるとされています(日本眼科学会)(日本眼科医会)。
治療
治療
- 様子をみる:自然に吸収されて小さくなることが多いものの、時間がかかることがあります(日本眼科学会)。自然に消えるのを待つことも選択肢の一つとされます(日本眼科医会)。
- 炎症を抑える薬:炎症が強い場合は、麦粒腫との区別も兼ねて、まず抗菌薬や炎症を抑える薬で落ち着かせます(日本眼科学会)。
- ステロイドの注射:しこりにステロイドを注射する治療が行われることがあります(日本眼科学会)(日本眼科医会)。
- 手術:しこりが大きい、なかなか吸収されず困っている、といった場合は、局所麻酔をして皮膚側またはまぶたの裏側から切開し、中身を取り除きます(日本眼科学会)(札幌医科大学 形成外科)。
どの治療を選ぶかは、しこりの大きさや炎症の程度、年齢などによって医師が判断します。
日常生活の注意・セルフケア
治療中は、医療機関から受けた指示を最優先にしてください。
- まぶたを温かいタオルなどで温めると、消えるのが早まることがあるとされています(MSDマニュアル家庭版)。
- 見え方が変わった、温めても長く消えない、といった場合は眼科で相談しましょう(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
自然に吸収されて治ることが多い一方、吸収までに長くかかることがあります(日本眼科学会)。治療で消えないしこりは、がんではないことを確かめるために組織を調べることが勧められています(MSDマニュアル家庭版)(日本眼科学会)。
眼科で扱うほかの病気
出典
日本眼科学会「霰粒腫」 / 日本眼科医会 第31回日本眼科記者懇談会 報道用資料「まぶたのできもの」(京都府立医科大学眼科) / 札幌医科大学 形成外科「まぶたの腫瘍(できもの)」 / MSDマニュアル家庭版「霰粒腫と麦粒腫(ものもらい)」(事実確認)
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。